それは、持たざる者の奪還譚。
それは、世界に一矢報いる必殺の一撃。
──────さぁ、世界をぶち壊せ。
運命から逃げ切った、誰かの話を始めよう。
その日、僕は財布をスられていた。
いや、中に入っている現金は微々たるものなのでさして問題はない。
問題はその財布の中にトレセン学園のトレーナーライセンスが入っていることだ。
「この地区には近寄らない方がいいってこういうことか…」
ここはトレセン学園よりも少し遠いところにある古い地区。
古き良き街並みといえば聞こえがいいかもしれないが…、
「なぁ、アンタそんなところでなにしてんだ?」
「え?」
声をかけられ振り返るとそこには小柄なウマ娘がいた。
「ふぅん、財布をスられたねぇ…。スった奴の特徴覚えてる?」
「えっと、」
しどろもどろに覚えていた特徴を伝えると「…アイツらか」と合点がいったらしい。
「ちょっくら取り戻してくっからアンタはそこで待ってな」
「ちょっ、…うわ」
彼女が駆け出していく。
僕は彼女が踏み込んだ地面が靴の形に抉れているのに一瞬呆気に取られて、それからすぐに追いかけた。
彼女は速かった。後を追うのも精一杯で、
「…ッサラ系の癖に!」
「あ゛?」
「見つけたーッ!!」
やっとのことで彼女を見つけ、肩で息をする。
ゼェハァと息をする僕に影がかかる。
「アンタの財布、取り返したぜ。
…危ない目に逢いたくなけりゃあ二度と、」
「なぁキミ!」
「…何だよ」
「トレセン学園に来ないか!?」
「…ハ?」
シルバーバレットと名乗った彼女を僕は口説き続けた。
初めは「僕みたいな奴が勝てるわけないだろ」などと後ろ向きだったが僕が面倒を見ている子たちと引き合わせ、一緒に練習をさせるうちに自信がついたようで「…分かった。入るよ、トレセン学園」といつしか了承してくれた。
珍しい時期に編入、しかも特待生として入ったバレットはメキメキと頭角を現していった。
学園生活も僕が引き合わせたアパートの子たちと過ごしているようでなにも問題はなかった。のだが、
「あぁ、ああああああああぁぁぁっっ!!」
アパートが原因不明の火事に襲われた。
何とか全員一命を取り留めたがバレット以外のすべてのウマ娘が後遺症から学園を去ってしまうことに。
それと共にせっかく掴み取ったクラシック挑戦の夢も潰えてしまった。
「…ぼかぁ、どうすりゃいい」
「…」
「まぁ、走り続けるしかないだろうな結局は」
「…すまない」
「センセが謝る必要ねぇよ」
一人残されたバレットは走り続ける。
目を覆いたくなるような苦難に襲われながら。
「なぁ、センセ」
「なんだい」
「夢みたいだって思わねぇ?」
「そうかな」
「…はぁ〜。いや、いい。センセならそう言うよな」
呆れたようにバレットが笑う。
今、僕たちがいるのはアメリカだ。
凱旋門賞を獲った脚で続けざまにブリーダーズカップ・クラシックを獲りに来ている。
「僕にとっちゃあホントに夢みたいなんだ」
「夢じゃないよ。…いや、夢なんかにはさせない」
「ひひっ、そうかい」
バレットが笑う。
僕も笑い返す。
「んじゃまぁ、世界ってやつを変えてくるわ」
「あぁ。デカいの、ぶちかましてこい」
ヒラリと手を振る姿は泣けてしまうくらいカッコよくて。
「…ホントにキミってやつは、最高だ」
*
ウマ娘攻略
@××××_×××
【ストーリーで新ウマ娘獲得!】
本日実装のメインストーリー外伝の通常負けイベントとなる「ブリーダーズカップ・クラシック」にて同着になると、新育成ウマ娘であるシルバーバレットを入手することができます!
ブリーダーズカップ・クラシックは、シルバーチャンプの金スキル「その背を追う者」を持つウマ娘を選択すると同着になることができます!
#ウマ娘
外伝版僕:夢女子人気凄そう(小並感)
育成ストでのトレーナーとの関係は「先生と生徒」だが、この外伝では「共犯者」という関係が一番適していると思われる。
多少口が悪く、「サラ系の癖に」などと言われるとブチギレる。
トレーナーを悪く言われてもブチギレる。
でも自分に向けての悪口や嫌がらせは特段気にしてない。
なお、度重なる怪我でSAN値がピンチ→不定の狂気に入った際にトレーナーと「…テメェだけは僕を捨てないよなァ?」という問答をしている。
それにトレーナーは「キミがいい。いや、キミじゃなきゃダメだ」「キミは僕の運命なんだ。…キミだってそうだろ?」「キミを僕は誰にも渡すつもりはない。…カミサマにだって、運命ってヤツにだって」と壱百満点の回答を叩き出した。
外伝版銀弾トレ:お前がナンバーワンだ。
騎手くん因子を多大に継承してると言われている。
外伝版銀弾との関係は恋人とか夫婦とかにはならないんだろうけど、多分それよりもずっと深い関係なんだろうな…という感じ。
トレ×ウマじゃねぇ、トレ+ウマなんだ!
多分ベストコンビ呼ばわりされてると思う。