激重勢に無自覚煽りするオグリはいると思います…という気持ちより。
思えば、あの"怪物"を真っ正面から見つめたのは【芦毛の怪物】、ただひとりだけだったのかもしれない。
(…すごい)
自分の周り全員が、目を醒ました"怪物"を見て『絶望』するのと裏腹に【芦毛の怪物】は目を輝かせたのだから。
「は、はは…」
それは恐怖ではなく憧れ。
ただただ純粋な敬意だけがそこにはあった。
(ああ、やっぱり)
やさしい
「はっ、はははは!!」
だから【芦毛の怪物】は笑う。
己の敗北を潔く認めて、それでもなお笑う。
(やっぱりあなたは)
──強い。
そんな歓喜と敬意がこもって漏れた笑い声に呼応するようにして、ついに【怪物】が目を開く。
『──────ッ!!』
その咆哮は、まるで──。
*
そのウマが、かの"怪物"に可愛がられていることは周知の事実で。
怪物同士、惹かれ合うものがあるのか、はたまた必然だったのか。
その答えは誰にもわからないが、しかし確かに言えることはひとつ。
"怪物"は、そのウマをとても大事にしているということ。
『────────ッ!!』
だから往年の名バとて、この事態に冷静でいられるはずがなかった。
(……!)
目の前で繰り広げられる戦いは、もはや"お遊びのレース"などという生易しいものではない。
それは──そう、まさに『死闘』。
『…、』
その戦いを見て、誰かが息を吐く。
そしてそんな息に呼応するようにして、再び誰かが呟く。
『…羨ましい』
そう、…そうだ。
『────────ッ!!』
そして今、その"怪物"が吼える。
それは咆哮であり哄笑のようでもあった。
「はは」
(ああ、変わらない)
そんな想いが胸に広がる中、【芦毛の怪物】は笑う。
"怪物"から目が離せない。
だから【芦毛の怪物】もまた、目を醒ましたのだ。
「……すごい」
だって、『絶望』して目を逸らした瞬間に"怪物"の目線から外れてしまうから。
だからずっと、その"怪物"から目が離せない。
(ああ、いつだって)
──強い、なぁ。
ドリームトロフィーリーグに移行して、トレーニングついでの軽い併走が現在だけれど。
二人とも、曲がりなりにも元は名バであるからして。
「もっと来いよ────なァ、【芦毛の怪物】?」
「その胸お借りします────先輩!」
【芦毛の怪物】:
目を醒ました"怪物"に唯一絶望しなかったウッマ。
心折られる周りとは逆に火をつけられた。
"怪物"当人からも正直者で可愛い後輩として可愛がられている。
また鈍感そうに見えて素で周りにクリティカルヒットさせそう。
周り:
"怪物"に可愛がられて、『約束』があるにせよ気軽に走ってもらっている【芦毛の怪物】にジェラ…ッ。
【芦毛の怪物】が良い奴だとは分かっているがふとした時に図星を無自覚にクリティカルヒットされるらしい。