さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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LArc軸【戦う者】の話。



最強の憎まれ役?

時に『強すぎてつまらない』と言われる選手がいる中で、彼は『強すぎて憎い』とまで称された。

誰も捕えることのできない、()()の走り。

捕らえようとすれば多くが壊されるだろうことは言わずもがなで、そもそものところその後ろ姿だけで共に走る者を諦めさせ、絶望させる様は、まさしく『悪魔(Diablo)』の二つ名に相応しい。

 

「ただまあ、そうは言っても負けたんだけどね〜」

 

ケラケラと笑う『悪魔(Diablo)』こと、サンデースクラッパに、彼を負かした張本人であるグローリーゴアは…ひどく渋い顔をする。

なにせ、いま思い出してもあの頃の世間とやらは酷かった。

サンデースクラッパは、その走りで世界を魅了し、熱狂させた。

しかしそれは同時に、多くの者にとっての悪夢でもあったのだ。

 

「キミが勝った時なんか大変だったよ〜?手のひら返すみたく『悪魔(Diablo)』が負けるなんてありえない!ってみんな大騒ぎしちゃってさ〜……まあ気持ちはわかるんだけどね?」

 

その言葉に、グローリーゴアは当時を思い出して目を細める。

サンデースクラッパは確かに強かった。

だが同時に、あまりにも強すぎたのだ。

あまりにも強すぎて…脅迫文なんてザラで、ありもしないスクープをでっち上げては記者たちが詰め寄っていた。

サンデースクラッパを貶め、その栄光に泥を塗ろうと画策する者は多く、その度にグローリーゴアが彼を守ったのだ。

 

「…あれは本当に大変だったね。キミのスキャンダルを捏造しようとする奴らもいれば、キミと僕を引き離そうとする奴もいたし……まあ結局全員返り討ちになったけど」

 

曲がりなりにも名家の出である。

レースでは煮え湯を飲まされているとは言えど、言われのないことで石を投げられている相手をそのまま捨ておくなど、グローリーゴアのプライドが許さなかったのだ。

 

「あの頃のキミは僕といるのが嫌だったろうけどね〜」

「……別に嫌ではなかったよ。ただ、面倒だっただけで」

 

グローリーゴアは本心からそう思っていた。

何にもなかった自分に火をつけた相手が、勝手に消されそうになっている。

それが許せなくて。

火をつけたのはお前なのに、なに勝手に()()()()()()()()()()()?と。

 

「そう思うとキミはさ〜……本当に、僕がいなかったらどうなってたんだろうね?」

「…………」

 

サンデースクラッパの呟きに、グローリーゴアは何も返さなかった。

かつて、の話ではあるが。

グローリーゴアは、目の前のケラケラ笑う『悪魔(Diablo)』を貶した出版社だとかそういうのを潰しかけたことがある。

有名だろうが、無名だろうが関係なく。

より良いレースの為に、という大義名分で。

もちろん、サンデースクラッパの栄光を貶めるためだけに記事やらを作った奴らは全員潰された、が。

そうしたのに、大元の会社自体を潰さなかったのは…サンデースクラッパに「やめてよね(意訳)」されたからである。

…だがしかし。

 

「……」

(う〜ん、思い出したのか嫌そうな顔してるや)





【戦う者】:
サンデースクラッパ。
強すぎて憎まれてたタイプ。
金輪際現れない最強の憎まれ役。
脳焼かれてる人が多い分アンチも多い。
なお本人はまったくもって気にしていない。
某エゴイスト並に「負け犬の遠吠え」とすら思ってそう。

【栄光を往く者】:
グローリーゴア。
世間からは英雄視されていたタイプ。
がんばえ〜。
エグいくらいファン多そう。
【戦う者】が自身が憎まれ役になっているのを気にしない分こっちが気にしている。
【戦う者】のことをライバルと思っているけどそれ以上に…ね?
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