さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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可愛がっている。
可愛がっては、いる。



祖父と孫

サンデースクラッパが物心ついたころ、祖父であるホワイトバックはすっかり老け込んでいた。

いや、見た目がというのではなく、()()()()

ほかの家族や祖父をよく知る人からは『昔はこんなんじゃなかった』と痛ましいような、それでいてどこか懐かしむような表情で語られた。

サンデースクラッパは祖父のことが大好きだった。

優しくて、穏やかで、よく遊んでくれたし、生きていくのに必要なことだってたくさん教えてくれた。

が、『いつか必ず役に立つときがくる』と彼は言っていたけれど、今でも教えられたことの大半がなんなのかはよくわかっていない。

でも。

 

『…覚えておいて、損は無いからネ』

 

確固たる意志を持って、その知識をサンデースクラッパに授けたと、それだけは間違いないのだ。

 

 

ホワイトバックには、溺愛している孫がいた。

いや孫も娘夫婦も全員ひっくるめて彼は溺愛していたが、その中でも初孫であった『チビ』を彼はいっとう可愛がっていて。

それこそ、目に入れても痛くないほどに。

 

「チビちゃん」

「なぁに?」

「おじいちゃんのお話聞いてくれるかい?」

「……うん!」

 

そして、その愛に答えるように大きくなっても『チビ』は、祖父が大好きだった。

父も母も大好きだったが、祖父はまた格別で、どんなつまらない話でも真剣に聞いたし、途中で『ご飯食べに行こっか』と嬉しそうに頭を撫でてくれるのだ。

が、そんな日々は唐突に終わりを迎える。

 

「……」

 

誰もが呆然としていた。

信じられなかったし、信じたくなかった。

ホワイトバックは、孫が、『チビ』が、もう戻ってこないことを周りと同じく理解しきれなかったのだ。

 

「ねぇ」

 

だから、聞いたのだ。

「あの子はいつ帰ってくるの?」と。

しかし、娘夫婦もURAの偉いヤツらも目を伏せて首を横に振るだけだったから、ホワイトバックはそれ以上聞くことも、何も出来ず。

だって自分と同じように傷ついている人々を何度も傷つけるなんて。

それでも、その疑問をいつしか心の奥にしまおうとも、彼はいつか帰ってきてくれると信じていた。

だから待っていればまた会えるだろうと、彼は待っていたのだ。

 

「……まだかなぁ」

 

だが、待てども待てども……『チビ』は帰ってこなかった。

 

───────

─────

───

 

それからしばらくして。

ホワイトバックは『チビ』が帰ってこないことを受け入れられず、日に日に憔悴していったのだが──ある日快復したのだという。

いや、回復したというよりはむしろ…。

 

「可愛いねぇ───"ちぃちゃん"」





【先祖返り】:
ホワイトバック。
落ち着いている祖父。
【戦う者】を「ちぃちゃん」と呼びながら可愛がっているが…?

【戦う者】:
サンデースクラッパ。
【先祖返り】に可愛がられている。
また可愛いがられていると分かっているので【先祖返り】の言うことはだいたい聞く。
でも何故【先祖返り】が"そう"なったかには…?
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