さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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匂わせと言うよりかは嗅がせに来てる感じ。



キミのこと

サンデースクラッパは情報発信とか、そういうファンとの関わり方に対してのことに疎い。

SNSだって『見る専ではするかもしれないけれど発信側でするには多分すぐ飽きると思う…』と、消極的な姿勢だった。

 

またその一方。

グローリーゴアはと言うと、…案外ファンとの交流に乗り気で積極的で。

隠すところは隠すけれど当たり障りない情報はそれとなく出してくれる。

……これも、まぁ、ファンサービスの一環なんだろうけど。

でもそのお陰でサンデースクラッパが『あ、これちょっと色々まずいかも』と気づくのに時間はかからなかった。

 

「ねぇグローリー」

「ん?」

「……あのー……さ……」

「なぁに?」

「……うーん」

 

言い淀むサンデースクラッパ。

そんな相手にグローリーゴアは首をかしげるばかりである。

……いや、うん。

キミと僕、仲良くなったのは自覚してるよ。

もはや同居っていうまでにキミが僕の家にいて、服とか皿とかそういうのが増えてるのも自覚してるよ?

でもさ、

 

「もうキミのアカウントが僕専用みたいになってるじゃん!!」

「…?」

 

心の内をぶちまけると『なにが悪いの?』というキョトン顔。

あーそうだった、キミは無自覚だった。

 

「いや、ほら……僕みたいなのがキミと仲良くしてるってファンからしたらさ……こう、『え?なにこいつ?』みたいな感じで」

「?」

「あ~~……もう!つまり僕が言いたいのは!」

 

もうここまできたら直球勝負だ。

サンデースクラッパはスマホをグローリーゴアにずいっと突きつけながら言った。

 

「僕のこと発信するの控えてください!」

 

 

はじめは、完全なる善意だった。

友達になりたい、と思ったウマのことを調べていると『供給が少ない』…、いわゆる露出が少ないと嘆くファンの投稿を見つけて。

だから日常風景を撮るついでに、『#Today's(今日の)』というタグをつけて投稿していた。

……それだけだった。

ただ、その写真がバズったことでファンの間でちょっとばかし何やかんやがあったり。

それがまた話題になってフォロワー(大体がサンデースクラッパのファン)が増えたりだとか。

そういう副次的な効果もあったから、まぁ悪いことばかりじゃなかったと思う。

……でも、それはあくまで結果論だ。

 

「……はぁ」

 

はじめは完全なる善意だった。

だが今はどうだ?

知れば知るたびに魅力的で、また胃袋をガッチリ掴まれてしまった現在。

料理を作る後ろ姿や料理そのものの写真を投稿して、それで…。

 

「…どうしよ」

 

あの子の隣は居心地がよくて。

結局は笑って許して傍に居させてくれるから甘えてしまった?

 

「でも、…初めてだったから」

 

我ながら同年代と比べると頭ひとつ飛び抜けている自覚があった自分。

対等にあってくれる人などいなくて、よくて主人と従者みたく。

……だから、友達になってくれる人などいなくて。

 

「……」

 

でもあの子は違った。

自分の誘いを断らなかった。

『いいよ』って言ってくれた。

それが嬉しくて、最初はただただそれだけだったのにいつの間にか欲張りになってしまっていて……。

 

「……はぁ」

 





【栄光を往く者】:
グローリーゴア。
実はファンサ◎。
それはそれとして生まれながらの才覚が良すぎて周りに遠巻きにされていたタイプでもある。
なので自分と対等に接して仲良くしてくれる【戦う者】に執着ぎみ。
故に【戦う者】に関する投稿も初めは善意だったが…?

【戦う者】:
サンデースクラッパ。
ファンサはあまり…。
でも【栄光を往く者】がファンサ◎なのでまぁまぁ知識はある。
…が何事も程々にとは思っている(とくせい:どんかん)。
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