さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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パーペキに趣味で書いたので何か問題があったら消します。


イカリソウのある邸宅にて

「あれ、ここは…?」

 

僕はシルバーバレット。

まぁそれなりに有名な競走選手だったと自負している。

前までは俗にいう社会人レース的なドリームトロフィーリーグに所属していたが最近勇退し、トレーナー業を歩もうとしていた矢先、

 

「どこだろう」

 

目を覚ますと知らない場所にいた。

森の中のようで、でも丁寧に木が剪定されていることからどこかの敷地内だろうかと検討をつける。

そうこうしていると誰かの足音が、

 

「えっとあの、ここってどこですかね?」

…シルバーバレット?

「はい?なんて?」

 

 

僕が出会ったのはシルバーチャンプというウマ娘、ならぬウマ息子だった。

僕の世界ではウマなのは女の子だけだけど、この世界はウマ娘だけじゃなくウマ息子もいるのだという。驚きである。

彼の名前に何だか親近感を抱きながら、行く場所もないのでお屋敷へと案内してもらった。

驚くことに今僕がいる土地は彼の所有物だそうで。

若いのに凄いなぁと思いながら案内を受ける。

 

「お世話になっていいの?」

「…はい、いくらでも」

「いくらでもは悪いよ。帰るまで世話になろうかな」

「そうですか…」

「「「お父様!」」」

「ん?」

 

チャンプくんには子どもがたくさんいるようで、世話になる代わりに彼らの子守りをすることになった。

走ることが好きな子たちのようなので新米といえどもトレーナー魂が疼く。

だってみんな才能の原石なんだもの。

 

「あ、チャンプくん」

「はい、バレットさん」

「お仕事終わったんだね」

 

チャンプくんは一代で成り上がっている途中なのだという新進気鋭のやり手であるようで毎日忙しそうにしている。

それでも僕の元に毎日話に来るのでいつもいろいろな話をする。

 

「チャンプくん」

「なんです」

「僕ね、外で働いてみようと思うんだ」

「…は?」

「元の世界でだけどトレーナー免許も取ってるし、僕のトレーナーみたいに"運命"に会ってみたいなぁって!」

「駄目です」

「え…?」

「それだけは駄目だ」

「な、なんで?」

「アンタは俺の、いいや、俺たちのモノだから…」

「ま、待ってよ、やめて!チャンプくん!」

 

この時間でもまだメイドさんたちが働いているはずなのに、どれだけ暴れても誰も来ない。

 

「みぃんな俺の味方だから、助けなんて来ねぇよ」

「や、ヤダ、助けて、誰かぁッ!」

 

カチャン、と足枷が嵌められた。

 

 

その姿を見た時、夢じゃないかと思った。

"シルバーバレット"。

俺にとってヒーローであり、憎むべき相手。

ウマ娘であったのは驚いたが、死んだはずの存在が何故か現れたことに俺は優しい人間を装いつつ、その存在を自らのテリトリーへと連れ込んだ。

 

"シルバーバレット"は優しい人だった。

誰もが彼女のことを慕い、よく話しかけられ、頼られていた。

ずっと憎んでいたはずなのにいつしか俺自身も囚われて、

 

「こんなこと、しちゃ駄目だよチャンプくん…」

「うるさい」

「…、」

 

不安げに揺れる瞳。

その目元にはくっきりとした隈が。

足首には逃げ出そうとしたのか痛々しい血の跡がついている。

 

「お前が好きなアイツらを傍につけたのに何が不満なんだ?」

 

"シルバーバレット"が可愛がっていた子どもたちを派遣したのに全然喜んでくれなかったようだ。

どうすれば喜んでくれるだろうかと考えつつも、まだ時間はあるからと焦らないようにする。

 

「絶対逃がさねぇからな、"シルバーバレット"」

 




生存IF‪√‬のウマ娘シルバーバレットが元性別史実‪√‬な世界に落っこちてしまった話。

シルバーチャンプ:シルバーバレットに愛憎を抱いている。
はじめは嫌いだったけど、最終的にはシルバーバレットが他人の目に触れるのも許さないくらいには執着を抱いてしまっている。
ずっとずっと感情煮詰めてた存在(違う世界線産)が目の前にポップしたらこうなるよなぁ?

生存IF‪√‬ウマ娘僕:かわいそう。
弟みたくシルバーチャンプを可愛がってたらクソデカ感情抱かれてた。
助けて先生、助けてサンデーと震え声でトレーナーとマブダチに助けを求めるが何も起こらない。かわいそう。

銀色の一族の皆さん:邸宅に住んでる人たち(家の使用人含め)は全員銀色の一族もしくは銀色の一族に連なる人々である。
当主であるシルバーチャンプほどではないが皆さん大なり小なり僕にクソデカ感情を抱いているので逃がしてくれる優しい人は誰もいない。


イカリソウの花言葉:君を離さない、あなたを捕まえる
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