【追記】
誤字報告ありがとうございます。
『母様』
『どうしたの?』
ぼうっと過ごしていると長兄であるシロガネペガサスが寄ってきた。
こんな小さな私から生まれたとは思えないくらい大きく育ってくれた子だ。
『ブレーヴが呼んでる』
『そう』
シロガネブレーヴも私の子どもだ。
少々体が弱いのがたまにキズだが、それでも私の子であるため強い。
シロガネペガサスに教えてもらった通りの場所に行くとシロガネブレーヴがレディーバレットに絡まれて困っていた。
『レディー』
『あっ、お母様!』
『ブレーヴが困っているでしょう』
『ごめんなさーい』
『ブレーヴもごめんね』
『いえ…』
レディーバレットはお転婆な子である。
おしゃまというか何というか、…彼女の相手になる子はちゃんと手綱を握れる子でないといけないなと考えてしまうというか。
『『おかーさま!』』
『はいはい』
歩いていると双子の我が子であるホワイトバレットとノワールバレットに話しかけられる。
まだ子どもな二頭は母である私が大好きで会うたびに甘えてくるのだ。
こうして甘えてくるのもあとちょっとの間だけだと思うと寂しくなってしまうけれど、母としては強くなってほしいと思う。
『今日も頑張ってきなさいね』
『『はーい』』
幼い彼らを見送るとヴィンチェローとシロガネルドラに出会った。
姉弟仲良さそうで何よりである。
二言三言話して、あちらの方でシロガネターボが大暴走していることを聞き、慌てて駆けていく。
『ターボ!』
『あっ、母さん!』
『母さん…』
声をかけると嬉しそうにやって来るシロガネターボ、の後ろにゼェハァ息を荒らげているシロガネダンサーが。
今日も大変だねと声をかけると『慣れてるので…』としゃあないみたいな言葉を返された。
『…母さんも無理しないでくださいね』
『あっ!……はい』
そう言えば私、おなかに子どもがいるんだった…。
*
シルバーバレットのことを思い出すと最高の競走馬であったと共によき母であったと思う。
はじめは競走馬としても繁殖牝馬としても小さい体躯を心配されていたが問題なく子どもを産み、初年度産駒であるシロガネペガサスを皮切りに彼女の力を引き継いだ子どもたちを世に送り出していった。
子どもの特徴としては、頭がよく人に従順であることがまず挙げられる。
███牧場の人が語ったところによるとシルバーバレットが母として産んだ子どもたちは揃いも揃って「聞き分けがいいので世話しやすくて助かります」とよく言われたのだという。
まぁシルバーバレット自身も父と母双方が気性難だったのにあれほど聞き分けがよかったからやっぱり血なのだろうか。
天寿をまっとうする数年前まで子どもを産んでいたシルバーバレットの産駒は20頭。
そのすべてが勝ち上がり、日本海外含めG1の舞台に姿を見せていたと考えると繁殖牝馬としても凄い馬だったのだなと感慨深くなるのも当然のことだろう。
でも、
「寂しいよバレット…」
そう言って手向けた花は、晩年の彼女のように真っ白だった。
私:シルバーバレット♀。
主な勝ち鞍:
1990年 ジャパンカップ
1991年 KGVI & QES
ムーラン・ド・ロンシャン賞
凱旋門賞
BCクラシック
獲得タイトル:
JRA賞最優秀5歳以上牝馬(1990・1991年)
JRA賞最優秀父内国産馬(1991年)
JRA賞特別賞(1991年)
カルティエ賞年度代表馬(1991年)
カルティエ賞最優秀古馬(1991年)
エクリプス賞年度代表馬(1991年)
エクリプス賞最優秀古牝馬(1991年)
顕彰馬(1992年選出)
お相手が三冠馬に始まり三冠馬に終わった名牝。
人間的な見た目にすると火傷顔の合法ロリ(レース中は少しオラオラな性格)。
シルバーバレット♂と同じ√を辿りつつ生き残り繁殖牝馬に。
なった当初でも年寄りだったが普通にポコポコ産んだ。
仔出しがよく受胎率もバリ高。
子どもの傾向的には生まれた当初は私の体格に合わせ小さい子が多いが、成長するにつれデカくなる。
最終的に子ども全員が私より大きくなっている模様。
しかも子ども全員がG1に姿を現すくらいには勝ち上がっている。
(誰がどのG1を勝っているかは特に考えてないけど…)
なお♂世界生存IFにて起こった30歳馬の癖に2歳馬と戦えるんじゃね?事件はこちらでも起こっている。
…それも胎に最終仔であるカタストロフ(父ディープインパクト)がいる状態で、である。周りにカッコつけるため死ぬ気で悟らせなかったようだ、ちゃんと後で怒られたが。
シルバーバレット♀の子ども一覧
・1993年産
シロガネペガサス 牡(父ミスターシービー)
冠名シロガネ+ミスターシービーの父である天馬・トウショウボーイから連想。
・1994年産
レディーバレット 牝(父シンボリルドルフ)
牡馬じみた隆々とした体の牝馬。そこから大人の女性をイメージ+母の馬名の一部。
・1995年産
ヴィンチェロー 牝(父ヒカリデユール)
歌劇『トゥーランドット』内のアリア「誰も寝てはならぬ」の一節よりVincerò。Vinceròは私は勝つという意味。
・1996年産
シロガネルドラ 牡(父ニホンピロウイナー)
冠名シロガネ+父ニホンピロウイナーの産駒ヤマニンゼファーから連想してインド神話に登場する暴風神・ルドラの名をつけた。
・1997年産
シロガネブレーヴ 牡(父ダンシングブレーヴ)
冠名シロガネ+父の馬名の一部。
・1998年産
シロガネターボ 牡(父ツインターボ)
冠名シロガネ+父の馬名の一部。
・1999年産
シャドウガンナー 牡(父ナリタブライアン)
父ナリタブライアンの異名『シャドーロールの怪物』+母の馬名の一部より連想。
・2000年産
シロガネダンサー 牡(父オグリキャップ)
冠名シロガネ+父オグリキャップの父父ネイティヴダンサーの名前の一部。
・2001年産
ホワイトバレット 牡(父サンデーサイレンス、ノワールバレットと双子、白毛)
毛色の白毛+母の馬名の一部。
ノワールバレット 牡(同上、ホワイトバレットと双子、メラニズム)
毛色がメラニズムからフランス語の黒+母の馬名の一部。
・2002年産
シロガネハナツユ 牝(父メジロマックイーン)
冠名のシロガネ+鳥のメジロの別名であるハナツユより。
・2003年産
シロガネハヤテ 牝 (父サクラバクシンオー)
冠名シロガネ+牡馬のような性格のためそれっぽい名前でハヤテ。
・2004年産
シロガネキセキ 牝 (父フジキセキ)
冠名シロガネ+父の馬名の一部。
・2005年産
シロガネルクソン 牡(父アグネスタキオン)
冠名シロガネ+常に高速で運動するルクソン粒子から。
・2006年産
シロガネデパーチャ 牡(父クロフネ)
冠名シロガネ+出発、旅立ちを意味する英単語departure。
・2007年産
パッセージオーロ 牝(父ステイゴールド)
航路って感じの意訳で通路という意味のPassage+イタリア語で金という意味のoro(オーロ)。
・2008年産
ペレアイホヌア 牝(父キングカメハメハ)
父の馬名から連想してハワイの火山の女神・ペレの名前を。
なおペレアイホヌアは大地を食べるペレという意味である。
・2009年産
クックロビン 牡(父ジャングルポケット)
父ジャングルポケットの名前の由来が童謡のジャングルポケットとのことなのでマザーグースから『誰がこまどり殺したの?』より連想。
・2010年産
ロックオンハーツ 牡(父ハーツクライ)
父ハーツクライの名前より連想。彼がロックオンするのは勝利なのか、それともライバルなのか…。
・2011年産
カタストロフ 牝(父ディープインパクト)
父ディープインパクトの名前+シルバーバレットの馬生より連想。
シルバーバレットにとっては最後の子どもであり、もう一度世界をひっくり返すならぬぶち壊すことを期待された馬名。
この世界での冠名シロガネはシルバーバレット♀の子ども+子どもの産駒限定につけられる特別な名前となっている。
お相手のみなさん:馬主&騎手くんの多大なる審査を通り抜けた。
なおヒカリデユールがつけられたのは同じサラ系のよしみ、ツインターボがつけられたのはただ単に馬主がツインターボのファンだったからという裏話がある。
基本的に私が年齢的に姐さんであるため、おね…タ状態になっている。
まぁそんな中CBさんは「バチバチしてた頃のお前を知ってるのは俺だけ」みたいな優越感というか後方旦那面をしているものとする。
騎手くん:シルバーバレット♀の産駒の調教師をしたりした。
シルバーバレット♀の産駒でハーレムを作ったりしてウハウハだったが、シルバーバレット♀が亡くなったあとは少し沈んだ。
♂世界でも独身だがこの♀世界でも独身。
シルバーバレット♀が恋人だったといってはばからない男。
シルバーバレット♀の生はこれ以上ないと言っていいほど穏やかな終わりを迎えたが遺された側のこの人はだいぶシルバーバレット♀の死を引きずることになる。
シルバーバレット♀が最高の相棒で『運命』だったからね…。