さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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そう過多にスキンシップを取っているわけではないが第三者から見ると砂糖吐くぐらいには。



だってあなたは魅力的だから

ヒカルイマイとホワイトリリィの夫婦(めおと)は普段から見ているこっちが砂糖吐きそうなぐらいイチャイチャしているが、その実直接的にスキンシップを取る…というわけではなかった。

周囲であるホワイトバックや子どもたちが聞けば「いやいや」と頭を振るだろうが、本人たちがいうにはそうらしい。

…というのを、前提で。

 

「ちょっと畑の様子見てくるわ」

 

いつもなら「おう」とか「気をつけてな」と返答があるところを。

何も返ってこないので不思議に思ったヒカルイマイが振り向くと、──ガッ!

 

「…ん。おら、行ってこい!」

 

振り向きざまに胸ぐらを両手で掴まれ引き上げられて、歯が当たる音。

じわ、と口内に広がり始める血の味に目を白黒させれば、してやったり顔のホワイトリリィがシッシと手を振って。

 

「ちょ……な、なにすんだよ!?」

「たまにはいーだろ、たまには」

「たまには、って…」

「照れんなよ色男。とりあえずその顔赤いのはよ治せ」

「無茶言うな」

 

 

実はヒカルイマイの私服は…ちょっとダサ、いや休日ルックが凄まじかったりする。

そりゃあ日がな趣味と実益を兼ねて畑仕事をしているウマであるので自然と服装がそうなるのは致し方ない。

だが、彼の場合はそれが顕著だ。

 

『お、イマイくんか! それにしてもなんだいその格好!』

「あ? ああ……ちょっとな」

『まーた畑仕事してたのか?』

「おう。今日も今日とて土と戯れてたぞ」

『ははっ! ちょっとはリリィちゃんに構ってやれよ〜』

「俺の方が構ってもらいたいくらいだよ」

 

そんな具合に、会う人会う人から言われる始末。

当然それはホワイトリリィにも届いており…。

 

「あ゛?ダセェぐらいがちょうどいいだろ」

 

旦那さんの服装…ダサくない?(意訳)との問に、ホワイトリリィはそう返した。

 

「大体畑仕事してりゃ汚れるし汗もかくし土埃で汚れるだろ? だったら別に着飾る必要なんかねぇんだよ」

「いや、でもさ……」

「それに…変に着飾ってどこぞのお嬢さんがアイツに恋した〜ってなっても面倒だしな。…ま、そうなっても離すつもりはないが」

「…さいで」

「私だけのアイツでいりゃいいのさ。私がアイツだけのモノであるように」

「ヒューッ! 熱々だね〜!!」

「だろ?」

 

そんな具合に、ホワイトリリィは惚気て…。

 

「たでーま」

「あ、おかえり父さん」

「おー、ただいま俺の愛しい貴女(ひと)

「…ん、おけーり私の愛しい貴方(ひと)

「……キャ〜(小声)。ビターチョコ食べたくなってきたな」





互いにこれ以上可愛く/カッコよくならないで欲しいなと思っている夫婦。
少し自己肯定感が低くなることもあるが「アイツが愛する自分なんだから」とすぐ復活する。
愛じゃよ、愛。
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