さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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親の心子知らず。



困りがち親心

「……」

(…またか)

 

実質ニコイチなきょうだい-シロガネハイセイコを横目で見ながら、シロガネヒーローはため息をつく。

シロガネハイセイコの視線の先にはまだ小さなきょうだいを可愛がり、また愛する彼らが父-シルバーバレットがいて。

かの人の子どもである限り、自分たちを救ってくれたかの人を慕うのは誰しもが通る道だが、その中でもシロガネハイセイコの慕いっぷりは群を抜いた。

 

「ハイセイコ、顔」

「…ん」

「直せよ〜。その顔ガキ共が見たら泣くぞ」

「…分かってるよ」

 

シロガネヒーローの言葉に、シロガネハイセイコは顔を引き締める。

その顔は先ほどまでのキツい顔ではなく、温和そうな表情だ。

 

「僕は父様の子ですから」

「……へいへい」

 

頰を染めながら、しかし誇らしげに言うシロガネハイセイコに、シロガネヒーローは適当に返事をする。

普段は父のことを『父さん』と呼んでいるが、ふとした時に幼き日の呼び方だったのだろう、『父様』という呼称。

その呼称を口にする時、シロガネハイセイコの雰囲気は柔らかくなる。

 

(まあ、気持ちは分かるけどよ)

 

シロガネヒーローは心の中でそう呟くと、再び視線をシルバーバレット達に向ける。

視線の先にはシルバーバレットに抱かれた小さなきょうだいがいて。

「ねーね」、「とーた」と、舌足らずな口調で父を呼ぶ。

 

「…」

「だから顔」

 

 

シルバーバレットにとって、実の子どもを愛するのは至極当然のことであり。

元々が一族的に愛が重いところの出だからこそ、子どもへの愛が深いのも必然だった。

 

「……」

「父さん?」

「……ああ、ごめんね。考えごとしてた」

 

シルバーバレットはそう言うと、腕に抱いていた小さな我が子を優しく撫でる。

シルバーバレットにとって、我が子である子どもたちと触れ合う時間は至福の時間であり、また子どもたちにとっても大好きな父親に甘えられる時間だ。

しかし、そんな親子の触れ合いの中にあっても、シロガネハイセイコだけはどこか浮いており。

 

(まぁ…もうこんな大きくなっちゃったしなぁ)

 

他の第三者が見れば『いや、そんなことはない』と断言するだろうが、シルバーバレットにとって、シロガネハイセイコという我が子は甘やかそうにも甘やかせない存在だった。

というのも、シルバーバレットが子ども達に構うと、シロガネハイセイコが必ずと言っていいほど何ともいえない顔をする。

だから…と撫でるために手を伸ばそうにも物凄い勢いで避けられるので、シルバーバレットとしてもどう接したもんかなぁ…と。

 

「……」

「父さん?」

「……いや、何でもないよ」

(……今だって)

 

シロガネハイセイコに避けられて落ち込むシルバーバレットを見て、子ども達が心配そうに声をかけるが、当のシルバーバレットは苦笑して誤魔化すのだった。





僕:
シルバーバレット。
いつだって我が子をヨシヨシしたい!
でも年頃だからね…(避けられるのにしょんぼりするすがた)。

子どもたち:
照れてるだけでいつまでも父である僕に褒めてもらいたい気持ちはある子たち。
でも照れちゃう。…難儀だね。
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