さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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残った痕は、何の証?



まみれ

シルバーバレットは、肌が白い。

故に、

 

「…また痣になってるや」

 

手首に刻まれた痣。

普通に呼び止めるために掴まれたはずだったソコは今となっては変色していて。

 

「この前、肩にもついたってのに」

 

まるでそういった類の怪談か何かのように触れられてはつく痣を撫でながら、スタスタと歩く。

すると、

 

「うおっ」

「先輩」

「あ、あぁ、ルドルフか」

 

ぐい、と肩を引っ張られて。

驚きざまに振り返るとそこには生徒会長たるシンボリルドルフ。

どうしたの?と問えば全チームに通達する書類を手渡したい、と。

それならと受け取るも先程掴まれた肩のことを考えては『また痣になりそう』なんて思いつつ、その手を離してもらおうと口を開く前に再び腕が伸びてきて。

 

「ちょっ……なんだよ、もう……」

 

そのまま掴まれてしまった右腕を見つめていると、今度はグッとその手に力が込められていく感覚があり。

思わず眉を寄せてしまうほどの強さだけれど、それを止めるには…目の前のウマの表情から察するにはあまりにも遅すぎたようで。

 

「…………」

 

無言のままこちらを見る瞳の奥にある感情が何なのかは理解(わか)らないし知りたくもないけれど、少なくとも良いものではないことだけはわかる。

だからといって振り払おうとしてもビクともしないそれに諦めたようにため息をつくと、それを待っていたかのように次から次へと触れる場所が変わっていって。

まず首筋に触れた手はそのまま顎までなぞるように動き、次に頬へ添えられるように触れる。

そして最後に耳の裏辺りに触れてきた指先がゆっくりと下に降りていき……肩と首の境のところでピタリと止まった。

 

「ここだけ少し色が濃いですね」

「そ、りゃまぁ……」

 

ちょっと、触るところがズレたらなり得る場所だろ…。

とはさすがに言えないものの、それが気になるのか何度か触れてくるものだからつい身を捩ってしまう。……というより、なんか距離近くない?

 

「あのー……?」

「はい」

「近いんですけど……」

「えぇ、そうでしょうね」

「壁に背ついてんだけど」

「つかせてるんですよ」

 

いつの間にか壁際に追い込まれていたらしい自分はただ黙っているしかなくて。

 

「先輩」

「うん」

「無防備なのは、あまりよろしくないかと」

 

……なんのことだろう。

首を傾げても何も言わずに見下ろしてくるだけの相手に困惑していると、ふっと影が落ちてきて、きゅうと爪が。

驚いて目を見開くも、すぐに離れていったそれはやはり彼女のもので。

呆然としたまま視線を上げると、にこりと、やさしく微笑まれて…。





僕:
シルバーバレット。
痣のつきやすい体質。
ちょっとぶつけたりしただけで痣になるもんだからウマに掴まれたらそりゃあ…ねぇ?

周り:
スキンシップが多い。
また僕の体に痣がつくのを心配しながらも…?
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