嗚呼なんという堂々巡り!
諦めましたよ どう諦めた 諦めきれぬと 諦めた。
そんな都々逸が、あの血筋に焦がれる人たちにはよく似合うだろう。
それは僕も含めて。
キラキラ輝くのは同じ。
しかし"星"などというささやかなものではなく、全身を包んでくれる『月』。
それが、
だから僕らは、諦めきれない。
「僕が好きなのは、『月』です」
僕は言った。
すると貴方は笑う。
「そうかい? 俺はやっぱり星だな」
「そうですか」
「…月は、眩しすぎて」
「星ぐらいささやかな方がいい」と。
その"星"が、太陽みたく熱いと知らないままに。
「そうでしょうね」
僕は、頷く。
『月』は太陽になれない。
だから貴方は、"星"になりたいのだろう。
あの血筋に焦がれる僕らと同じように。
そして僕もまた
けれどそれは、決して叶わぬ夢であることを知っているから……。
しかし、それでもなお諦めきれないでいるのです。
*
自分の傍にはいつだって、キラキラと輝く"星"たちがあった。
そりゃあもちろん、一番キラキラと輝いている一等星はあの"星"であるけれど。
でも、あの"星"といかぬまでも、自分の周りには確かに"星"があった。
…血筋の縁と言えばそれまでではあるが。
(まぶしい)
まるで太陽を見上げた時のように目の前に手のひらを持っていく。
このまま見続けていると、目が見えなくなってしまうというように。
"星"だって光であるのだ。
あの"星"がいっとう光って、目を焼いてくると言っても、他の"星"でも数が揃えば同じようになるだろう。
(まぶしい)
だから、月が好きだった。
月は俺を苛まない。
"星"たちのように、俺を焼こうとしない。
ただ
それに…ひどくホッとして。
「俺は…"星"じゃない」
"星"なんて、ガラではない。
よくて"星"を目指して、地上から手を伸ばす哀れな人ぐらいか。
自分の身が焼かれると知ってなお、手を伸ばさずにはいられない愚か者。
そんな…そんな。
「救いようの、ない」
いや、救いなぞいらないのか。
「お星さまが欲しい、とかって」
くつりと笑う。
子どもの夢のような願いが、この歳になってもまだやまない。
欲しい欲しいと駄々をこねるだけでは無くなっただけまだマシかと思いながら、俺はまた
"星"に手を伸ばしているヤツも、他の奴らに手を伸ばされてるんだよなぁ…。