さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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なお一眼レフ装備。



「ウチの弟妹は世界一っ!」

「はァ〜…!ウチの弟妹は世界一〜!!」

 

そう引き絞りながらも確かに叫ぶウマの名はシルバーバレット。

トレセン学園にいる者なら誰もが知るそのウマは今日も今日とて一眼レフカメラを携えてパシャパシャと。

先程の言動と行動からお察しの通り、シルバーバレットは…超という字がつくほどのシスコンでありブラコンで。

兄と自らを慕ってくれる弟妹たちを愛してやまない。

そんなシルバーバレットは、現在……静かに騒ぎながら日課のアルバム作りに励んでいた。

初めてカメラを買ってもらった日から取り続けた写真はもう両手両足の数じゃ足りないアルバムへと変化し、それが各々弟妹の人数分あるというのだから、その愛は推して知るべし。

 

「あ〜……本当に可愛いなぁ……!ウチの弟妹たちマジ天使……!」

 

そんなことを言いながらも、シルバーバレットの右手は休むことなく動き続ける。

パシャパシャとシャッターを切りながら、ふと思いついたようにウマホを取り出し慣れた手つきで操作をする。

そしてそのままウマホを耳に当てると、電話が繋がったのかすぐに口を開いた。

 

「もしもし、リリィ?いま大丈夫?」

『あぁ、チビか。大丈夫だよ』

「また写真撮ったから送るね〜」

『お〜』

 

どうにもこのきょうだい、揃いも揃って頼りがないのが元気の証拠とでも言うように何か不都合がなければ連絡なりを取ってこないので「今日も元気だよ」と一番上の兄であるシルバーバレットが日々の無事を送っているのである(なおシルバーバレット本人の無事については弟妹たちが各々送り付けているものとする)。

 

 

「ウチの弟妹をッ!邪な目で見るなーッッ!!」

 

思わず一眼レフの角で後頭部をガンッ!とやってきそうな勢いで突っ込んでいきそうなシルバーバレットに、トレーナーは「おっと」と少し体を仰け反らせながらその襟首を引っ掴んだ。

 

「危なッ!……ちょっとバレット?急にどうしたの」

「あ〜ゴメンね先生。僕が写真撮ってたらさぁ、なんか僕の弟妹を邪な目で見てる奴がいたからついカッとなって……」

「いやどんな奴さそれ。ていうかそもそもなんで一眼レフなんて持ってるの?」

「え?そりゃあいつでもどこでも可愛い弟妹の写真を撮るために決まってるじゃない?」

「ん?」

「え?」

「ごめん。ちょっと何言ってるかわかんない」

「え〜?なんで〜?」

 

不思議そうに首を傾げるシルバーバレットにトレーナーは苦笑いしながらも、とりあえず一眼レフを没収しようと手を伸ばすが……それを察知したのか、ひょいっと避けられてしまった。

 

「あっ!こら!」

「やだよ〜!これがないと弟妹の写真撮れないじゃん〜!」

「いやだからって……!」

「はい、先生。チーズ!」





僕:
シルバーバレット。
超ド級のめんどくせ〜ブラコンシスコン。
一眼レフ常備。
「僕の弟妹をいやらしい目で見るなーっ!」ぐらいはよく言うし、それを見てないって言うと「なにっ!ウチの弟妹をあんな目やこんな目で見ないだとっ!?」ぐらいは言う。
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