馬時代からの。
"ソイツ"と出逢えたのはもはや『運命』としか言いようがない。
乗り物に揺られて、揺られただけでどこか疲労困憊に近い状況になりながら、降り立った場所に───"ソイツ"はいた。
『……』
はじめましては後ろ姿。
美しい、俺と同じ色の毛並み。
その姿に居てもたってもいられず、手綱を握っていた人間の手を振り払えば、一目散に。
『な、なァ!』
『……ぁ゛?』
駆け寄って、話しかけた。
それまでの疲労など何処かに行ってしまったというぐらいに、俺は、彼女に。
『誰だテメェ』
『ぉ、俺はヒカルイマイ!』
『そ』
そっけない返答。
もっと話しかけたくとも人間にとっ捕まえられて、引き離されてしまう。が、
『ァ゛ッ!……クソ、』
『…ンな顔しなくても、また会えるさ』
『は、』
『アンタになら、…いいや』
───よろしくな、お前さま。
*
それから。
年一回、彼女-ホワイトリリィと会うようになって。
年々綺麗になっていく彼女に、俺はどんどん惹かれていった。
『なァ!ホワイトリリィ!』
『……んだよ』
『俺さ、お前と出逢ってからもう十回目なんだぜ!?』
『……あっそ』
『な、なぁホワイトリリィ!俺とッ!』
『……あ?』
『───俺と、結婚してくれッ!!』
ずっと秘めていた言葉。
俺を世話してくれる奴らが言うには『結婚』とやらをするとその相手とずっと一緒にいられるらしい。
初めましての時から、ずっと口説いてきたがいつだってその度に心拍数が跳ね上がった。
断られるかもしれない恐怖もあるにはあったが何度袖にされても諦め切れない。
『……ンだよ、それ』
『へ?』
『だから、結婚ってなんだよ』
『そ、それは!俺とずっと一緒にいて…ほしい』
『……ふぅん』
その時は興味なさそうに返されたが、それから少しの時間が経ってホワイトリリィは俺に言った。
『……いいぜ。お前さまとなら、ずっと一緒にいてやるよ』
その答えに俺は歓喜した。
嬉しくて嬉しくてたまらなくて、思わず彼女に擦り寄ったのを今でも覚えている。
『ずっと一緒にいてやるから───ちゃんと迎えに来い』
星になっても。
星になった、あとも。
・
・
・
「『ずっと』、ねぇ…」
「ちゃんと迎えに来たろ?」
「迎えには来たが…おっせぇよ」
「仕方ねぇだろ。俺はお前と違ってそうハッキリ全部覚えてたワケじゃねぇの。逆に覚えてるお前ら親子が珍しいわ」
「それは……そうだけどよ」
むすりと、拗ねたように呟く。
そんな様子に苦笑しつつ、ヒカルイマイはホワイトリリィの頭を撫でた。
「……まァいいさ。こうしてまた会えたんだしよ」
「おう……」
頭を撫でられながら、ホワイトリリィは嬉しそうに目を細めた。
『約束』した。
でも馬時代はその『約束』は無理だなぁと思ったので「迎えに来てね」した。
愛の重い相手に「ずっと」と約束してしまったので未来永劫何度輪廻を巡ろうが「ずっと」になるが、恋に恋して愛に堕ちたふたりなので今日も幸せ!