まあ、親子だからね。
サンデースクラッパというウマは、『後継がいないことが唯一の欠点』と言われるぐらいに名牝たちの父ではあるが、その評価の基礎を作り出したのが彼の初年度産駒のBest Sunday'sである。
彼女はThe One Dayというその当時では父も母も、そのまた…という血統表のどこを見ても有名な馬がいない牝馬から生まれた。
ただアウトブリードであることが特徴と、見た目の華やかさも無ければ、その血統表に載っている父も母も、重賞馬というわけでもないし、繁殖成績も…という有り様。
相手となったサンデースクラッパと比べるとあまりにも釣り合わない。
がしかし。
『なんとなんと!牝馬が!グランドスラム達成!!』
Best Sunday'sは、非常に…強かった。
父サンデースクラッパのライバルであるグローリーゴアの馬主に買われた彼女は、その父ソックリな見た目に違わず走り方や勝ち方も父ソックリで。
同世代も古馬も関係ないと言わんばかりに全てを蹴散らしては無敗の圧勝で引退していった(もちろん馬主の脳は焼けた)。
そして、繁殖牝馬となったBest Sunday'sに宛てがわれたのはもちろん同馬主が所有していた三冠バ・グローリーゴアで。
いくら彼女の父のサンデースクラッパに負けたことの方が多かったとはいえ、彼もまた三冠競走までの時点では無敗だったウマ。
…随分とまあ、ビッグカップルが成立したと当時騒がれたが。
『親子二代で無敗のグランドスラム!そして親子四代BCクラシック制覇の偉業を成し遂げました!Mr. Dream Hero!!』
*
「やぁ、ベスちゃん。久しぶり」
「お父様」
"ベスちゃん"-こと、Best Sunday'sは久しぶりに出会った父サンデースクラッパに抱きついた。
二人ともあまり体格差が変わらず、そして今も昔もあまり容姿が変わらないサンデースクラッパの見目もあって、その様子は双子がまるで抱き合ってるよう。
「今日はどうしたの?」
「どうしたのって……お父様が久しぶりにこっちに来るって言うから、会いに来たのよ」
「えー?ベスちゃん、パパのこと大好きなんだからー。そんなに会いたかったなら電話くれれば良かったのにー」
「お父様ったら!」
父娘の微笑ましいやり取りを少し離れた場所から見ていた彼-Mr.Dream Heroはてちてちと二人の元に歩み寄っていく。
「まぁま。じーじ」
「ぉ!」
「あら、起きたの?」
「ン」
駆け寄ってきたMr. Dream Heroをサンデースクラッパは抱き上げる。
その胸元にスリスリとMr. Dream Heroは頭を擦り寄せるとまた眠り出すのだった。
【最上の日曜日】:
Best Sunday's。
サンデースクラッパ初年度産駒。
たぶん2002クラシック世代ぐらい?
母親似が多い他同父産駒の中で一等父親に似た。
見た目だけではなく競走成績諸々も似た。
無敗で米国競馬グランドスラムを達成して三歳引退。
そして後に初年度産駒としてMr.Dream Hero(父グローリーゴア、大体2006クラシック世代かな?)を産む。
実は、グローリーゴアに幼い頃一目惚れしている。
【いつの日か】:
The One Day。
地味な牝馬。
けれどBest Sunday's等に始まる娘たちからいつしか『Day一族』と呼ばれる系統を確立する。
産駒は牝馬が多く、『Day』の字がよくつく。
日本にも産駒が渡っているとかどうとか?