何だかんだ行動力ある銀弾。
秋のファン大感謝祭、またの名を『聖蹄祭』。
春がスポーツ系の催しが多く開催されるのと対をなすように、秋のソレは文化系の出展が主となる。
言うなれば───文化祭のようなものだ。
「うーんと、『ウサギちゃん喫茶』でもするかな」
リギル、スピカに、僕が所属するアルデバランも含めて…そこそこの規模になるチームは、チームごとに何かしらの出し物をしなければならない。
で、その企画会議にチームリーダーである僕とその右腕であるシロガネハイセイコは参加しているのだが……。
「う~ん……それはちょっと違う気が」
僕の案に対して、ハイセイコが苦笑いしながら指摘する。
「え?ダメかな?」
「ダメというか……嫌がる子もいるでしょう?」
「いやうさ耳はウマミミで代用すればいいよねって」
まぁ言われてみれば一理あるな……と頷いているとシロガネハイセイコが続ける。
「それにカフェをするにしても服はどうするんです?うさ耳はウマミミで代用できるとして」
「…、」
考える。
もう既に司会役であったのも、同じように会議に参加していたのもみんな練習に行っている。
この部屋にはもう僕らだけだ。
そう考えていると、
「おいクソチ…リーダー」
「や、アウトレイジ」
いつものように僕のことを『クソチビ』と言いかけて、何故だかちゃんと言い直したそのウマは、僕が治めるチームアルデバランに所属するウマのひとり-シルバアウトレイジで。
「みんな待ってんぞ」と苦言を呈すその顔に『ちょうどいい』と笑う。
「ね、アウトレイジ」
「あ?」
「今度の聖蹄祭でさ、ウチのチーム『ウサギちゃん喫茶』しようとおもうんだけど…」
「……お前が女装するんなら考えてやらァ」
「よしきた」
「「エッ」」
*
昔から母に渡されるものは何でも着てたし、今だって可愛い下の子たちに頼まれれば快くペアルックする仲だ。
…たとえ、それが女ものであろうとも。
それにしても、
『リーダー動かないで!』
「ふぁい」
『どの髪型にする〜?』
「あんまり邪魔臭くならないので…」
ガールズの圧すっごいな…。
はじめは客寄せになって一石二鳥だよね!とニッコリしていたのだけど、気づけばあれよあれよと。
「…可愛い?」
出来上がったあと、周りのみんなに聞けば「可愛いで〜す!!」と元気よく帰ってくる声。
…なら、大丈夫、かな?
「じゃあ行ってくるね」
不思議の国のアリスの時計ウサギっぽくもありながら、服装はクラシカルなメイド服で客引き看板を持つ。
『いってらっしゃ〜い』
「は〜い、いってきま〜す」
僕:
シルバーバレット。
そこまで女装に抵抗がないし、自分が可愛いことを無意識に知っているウマ。
体格がもはや合法なのでそれっぽい服装をしたら性別がどっちか分からなくなるタイプ。
これより聖蹄祭の中を時計ウサギっぽくもありながらクラシカルなメイド服で駆け巡る。
性癖を壊すな。