さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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誘われからお家入りまでに若干のラグがあった話。



約束されしクソボケ…だけども、

「お邪魔しまァす!!」

 

その声と勢いに、革張りの良い椅子に座っていたグローリーゴアは椅子から転げ落ちた。

ドンガラガッシャーンというよりかは、変に蹴ったら座っていた椅子から尻が滑ったというか。

とりあえず、グローリーゴアが椅子から落ちたことは確かだった。

 

「え、えと…」

 

情けないところから、何とか威厳ある当主の顔に取り繕って起き上がる。

『こんな勢いよく誰だ。無礼だな…』と内心ため息をつきながら、彼は扉の方を見た。

そこには、一人のウマが立っていた。

 

「……は?」

 

グローリーゴアの思考回路が停止する。

そんなグローリーゴアを気にせずに、そのウマは謳うように告げる。

 

「今日からここでお世話になるサンデースクラッパです!」

 

夢にまで見た姿がニコリと笑う。

どうして?

あれだけ説得しても頑なに首を縦に振らなかったのに。

 

「え、いや、あの……サンデースクラッパさん?」

「なぁに?」

「え、いや、うん…どうして……」

「だってあんな唐突に言われてもすぐにどうにかできるわけないじゃない」

「ウ゛ッ」

「アレ、だいたいキミの独断専行だろう?他の人に何の相談もなしに『明日からこの家に住むんだよ』とか言われても。準備も何もできないよ」

「ウ゛ッ」

 

グローリーゴアは、サンデースクラッパに言われて自分の行動が自分勝手だったことを自覚する。

しかし、それでもサンデースクラッパを手放すつもりは全くなかったので。

だから、必死に言葉を紡ごうとする。

 

「で、でも……今ここにいるってことは……」

 

そう告げれば、サンデースクラッパはにこりと笑ったまま告げた。

 

「説得、大変だったんだぜ?」

 

 

あの日、暴走していたグローリーゴアは知らないことだが。

時間になっても集合場所に来ない僕を、チームの人が心配して部屋の前まで来てくれていて。

すると、グローリーゴアから一方的にやいのやいのと言われているのが聞こえてきて。

 

───あんなにもスーちゃんのことを望んでくれる子がいるのなら、…残ってもいいよ?

 

はじめは「いや、それは…」と断ろうとしたのだけど、「後ろ髪引かれてるでしょう?」と長年の付き合いからくる的確な指摘を受けて。

結局、僕は此処に残ることにした。

もちろん、チームのみんなには「何かあったら電話しておいで」と何度も言われたけれど。

でも、それでも僕がグローリーのところに行くことを決めたのは……うん、まぁ、その……ね?

 

「じゃあ、よろしく頼むよ」

 

ぽかんと惚けた顔のキミに笑う。

嗚呼なんて顔だこと!





【戦う者】:
サンデースクラッパ。
諸々の手続きを経て「たのもー!」した。
元より【栄光を往く者】のところに行くのは満更でもなかったので。
でも色々しがらみがあるよなぁ…と悶々していたらチームの人たちに背中を押され。
…で、今こうなってるワケ。

【栄光を往く者】:
グローリーゴア。
大☆暴☆走。
完全に独断専攻でやんややんや。
はじめはいい答えをもらえなかったので「フラレチャッタ」と落ち込んでいたが、当の本人が「たのもー!」してきたので椅子から転げ落ちた。
なので無事勝ち組になった模様。
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