さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

648 / 1416

「はよいけ」って思ってたけど満更でもなかったんだよね。




ふたりいっしょ

「先輩」

 

そう呼ぶと、『あっちに行け』とジェスチャーされた。

呆れとも何とも言い難い顔で、シッシと指先を動かされる。

 

「いや、でも」

 

触れようとした手はパシッと払われて。

『お前が行くのはあっちだろう?』と明るい方を指さされる。

そりゃあ、確かにあっちは明るいでしょうが…。

 

「…だって俺、あっちに友だち居ませんもん」

 

無言だが、今にも『は?』と言いかねん形相。

 

「先輩、俺友だち居ないんですよ」

 

『だから?』とでも言いたげだ。

 

「まぁ、はい……」

 

『……はぁ……』と深いため息をつかれてしまった。

呆れを通り越すとこうなるのか、というお手本のようなリアクションだった。

 

「先輩が嫌じゃなければ一緒に居たいんですけど……」

 

先輩はまたも無言だが、今度は顎で『あっちに行け』と。

…あのですね?

 

「……もしかして俺が邪魔だとか?」

 

『…………』と、今度はさっきよりも大きなため息をつかれてしまった。

 

「あ!もしかしてあれですか?俺が居るとゆっくり出来ないとか」

 

『……』と、またも深いため息をつかれた。

そして先輩は自分の隣を指し示した。

 

「あ、いいんですか?」

 

『仕方ない』という顔。

 

「ありがとうございます」

 

『……』と、無言だが手で座れと促された。

とりあえずはお隣に座らせてもらうことにした。

 

「……あの先輩?」

 

『……ん?』という顔。

 

「いや、その……」

 

『どうした?』とでも言いたげだ。

いや、どうした?と言われてもですね……?

 

「何か近くないですか?」

 

そうなのだ。

お隣同士に座るにしても距離が近い気がするのだ。

肩が触れ合うどころか密着しているような気さえする。

『気にするな』と言われたので気にしないことにしたが。

 

「それはそれとしてですね」

『おう』

「…気まずいじゃないですか」

『あ゛?』

「だってあっちには俺の優秀で可愛い子どもたちもいるんですよ!?俺が大人ぐらいの年齢で出るんならまだいいですけど、ほぼ同年代じゃないスか!!」

『…あぁ、』

「先輩だって自分の身に置き換えて見てくださいよ!!!!」

『うるせぇ』

「あだっ、」

 

デコピンされた。

『お前が思うことを俺が思わぬとでも?』とでも言いたげだ。

 

「それはそうですけど……」

『……』

「あ、はい」

 

またも無言だが今度はトントンと太腿付近を叩かれ。

もう黙れということだろうか?

……まぁ、いいか。

それにこの距離なら先輩の顔もよく見えるし。

いや、いつも見てるけど近いからよく見えるというかなんというか……。

 

「ふへ」

『?』

「なんというか…先輩イケメンになりましたねぇ。あっ!?いたっ!何で叩くんです!?」





【銀色の王者】:
シルバーチャンプ。
お父ちゃん美少女になりたくないよ…。
自分ひとりだけならまだしも産駒(サクラスタンピード、プライドシンボリ、メジロシルフィード等々)が先に実装確定してたモンだからヤダヤダ!と駄々捏ねてた。
だって俺お前たちみたいに強くないもん…。
G1未勝利だし…(しょんぼり)。
なお凱旋門賞が実装された折には…?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。