さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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久しぶりのウマ娘軸。


◆普通に暮らしたいんだよなぁ…

「シルバーは私と走るんだよ」

「いいや私とだ」

 

……やぁ、僕だよ。

今にも綱引きの綱にされそうな僕だよ。

今の現状はね、ミスターとルドルフに取り合われてるところなんだ。

…現実逃避くらいしてないともう無理だよ、コレ。

 

だって二人とも普通じゃないもの、掛かってるよもう。

だってみんな僕らを中心にして離れて様子を伺ってるし、助けを求める目をしてもみんな目を逸らすし!

 

「えっと、二人とも……?」

 

ヤバイヤバイヤバイ、腕がギチギチなってきた。

ちぎれそう!と焦って声を出せば「どうした?」と二人の声。

 

「は、離してぇ…!」

「「無理だ(だね)」」

 

 

「大変だったねぇ」

「うん…」

 

あのあと、決着がつかなかった二人は「勝った方がシルバーバレットをもらう」と僕の意志を全無視したレースをし始めた。

その隙に僕は逃げたのだけど。

ため息を吐きながら休憩所で自販機から買った飲み物を飲んでいると先輩に話しかけられた。

名前から緑色がイメージされるその人は僕がトレセン学園に入った頃の生徒会副会長だ。

生徒会長ともう一人の副会長は苦手だったのだけど、この人だけには何故か懐いていた。

 

「相変わらず私のことが好きだね、シルバーは」

「はい、…先輩は好きです」

「…ハハ!相変わらずあの二人のことは苦手かい?」

「…相変わらず、ですね」

 

天馬と呼ばれていた会長の方は明るくて距離感が近くてタジタジになるしかなかったし、貴公子と呼ばれていたあの人は何かと口煩かったからあまり関わらないようにしていた。…僕のことを心配してくれているのは分かってたから感謝してるけど。

 

「たまには会ってやりなよ。二人ともシルバーに避けられるって私に愚痴ってくるんだから」

「すみません、…善処はします」

 

先輩と別れてから、また違う先輩と出会った。

彼女は僕と同じようなルーツを持つ人で何だかんだ世話になっていた。

 

「久しぶり、元気?」

「はい。…先輩がここに来るの、珍しいですね」

「そうかな?でもシルバーに会えたから万々歳だね!」

「そんなに喜ぶことですか…?」

 

先輩は大井トレセンから中央トレセンに移籍した人で、引退後は地元で勤めているという。

そういうわけなので中々会えなかったのだが、

 

「私もドリームトロフィーリーグに出ようかと思って」

「えっ!?」

「いや〜、本当は出るつもりなかったんだけど…シルバーがいるから、ね?」

 

先輩の目にはゆらりとした熱が。

…あぁ、またかぁ。

 

「最近、多いんですよね…」

「なにが?」

「僕がいるからってドリームトロフィーリーグに来る先輩方が…」

「へぇ!」

 

ため息をつく僕を見て笑った先輩が手を振り「またね」と帰っていく。

その姿を見送りながら、

 

「早く普通の生活したいのにぃぃぃ……」

 

そう嘆く僕であった。




僕:ドリームトロフィーリーグに移籍した姿。
はやく普通の生活がしたいのに自分がドリームトロフィーリーグに移籍したならとやって来る先輩方がいるので辞めるに辞められなくなっている。
往年のスターが来るからね、集客率も凄いよね…(遠い目)

先輩方:今回出会ったのはトレセン学園の生徒会元副会長なイメージが緑っぽいいぶし銀系先輩と僕と同じサラ系のとある先輩。
この二人に僕は何だかんだお世話になっていたので懐いている。
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