さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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届かぬので、降り積もるのみ。



届かぬ想い

ずっと、"あなた"に脳を支配されているんです。

かつての"あなた"の雑誌とか写真とかを集めては、"あなた"だけを切り取って自分のスペースの壁に所狭しと貼り付ける日々。

僕の知らない"あなた"。

 

けれど僕らが出会ったのは『運命』なので。

周りにとやかく言われようとにこり笑って何も言わず。

だって、"あなた"が何も言わないので。

 

"あなた"が、曖昧な人でよかったと思います。

まぁ、時にはその曖昧さが憎らしく思う時もありますが"あなた"が曖昧であれば曖昧であるほど僕のこの想いは肯定されたまま。

聞きたくないことには耳を塞いで。

聞いていたい"あなた"の声に、言葉に、その音のひとつひとつに耳を澄まし。

"あなた"の可愛い可愛い子どもの【シロガネハイセイコ】として今日も笑うのです。

 

"あなた"にいちばんはじめに見出されたのは僕。

だからこそ最後に"あなた"に選ばれるのは僕なのです。

全部全部元より決まりきっている筋書き通りに。

だって僕は【銀色のアイドル】なのですから。

誰からも愛される、アイドルなのですから!

…でもいちばん欲しいものは、手に入れられないの。

 

僕だけの気持ちは、僕だけのもので。

それを解ろうとか烏滸がましいったりゃありゃしませんし、そんな簡単に諦めるものですか?って。

そんなくらいで諦めるなんて、本当にソレは『本当』だったんですか?って。

 

勝ち取った栄光も、賞賛も。

全部、僕のためではなく"あなた"のため!

"あなた"に捧げるために頑張ったんです!

外野の言葉なんて何も聞こえない!

"あなた"の声しか聞こえない!

"あなた"以外何も見えないから、"あなた"が僕の『世界』なんだ!

ですから僕の『世界』である"あなた"は僕の『カミサマ』と言っても過言ではないの。

ねぇ、そうでしょう?

()()()()()()()でしょう!?

 

ずっと、"あなた"を見ているの。

キラキラ輝いて、翳りひとつもない"あなた"を。

どんな名作も二作目は大概作だと言うけれど僕はそんなのになりはしない。

もっともっと"あなた"の名声を高めて、もっともっともっと有名にしてあげますよ!

 

だから、ね。

ほら……早く気付いてくださいよ。

いつまで経っても気付かない"あなた"に焦れて。

いっそこのまま…と思う夜もあるけれど。

それは【銀色のアイドル(ぼく)】らしくないので。

アイドル(ぼく)らしくないので、ね。

 

 

くすくすと、笑ってみせた先には今日もにこやかに皆々様に笑顔を振りまく"あなた"の姿。

 

「ね、」

 

 

"父さん(あなた)"?

 





【銀色のアイドル】:
シロガネハイセイコ。
お も い!!
家ではシロガネヒーローとふたりで一つの部屋を使っているが自分の領域の壁はすべて自らの父である銀弾の写真やら切り抜きやらで埋め尽くされてる感じ。こ わ い!!
それはそれとして『愛』とのたまう重ったるい感情を父の銀弾に抱いては『最終的に父さんが選ぶのは僕なんですから…』と後方…何面だコレ?している。
父である銀弾に関してのブレーキが一切ない。
…それ以外は、優等生中の優等生なのにね。
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