さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

658 / 1416

だけど、あなたが望むなら。



かぐや姫よか無理難題?

幼稚園とかの時って参観みたいな名目で劇したよね、みたいな話になって。

そこで『かぐや姫』の話になった。

 

「アタシ、シルバーが望むなら何でも取ってくるよ」

「何の話?」

「ほら、『かぐや姫』ってさ」

「…あぁ、たしかそんな話もあったね」

 

求婚を受けるにあたって、かぐや姫が男たちに求めたのは話にしか聞かない世にも珍しい宝。

かぐや姫を何としてでも手に入れんと求婚した男たちは各々の手段をもってその宝を手に入れようとしたが…って感じだったっけ?

 

「そうそう!」

「それがどうしたの?」

「いやー、もしシルバーがかぐや姫だったらなに頼むかなって」

「えぇ……?」

「さっきも言ったとおり、シルバーが望むならアタシ、何でも取ってくるよ?」

「…そこまでして僕のこと欲しい人いるかなぁ?」

 

取り敢えず考えてみて!と強く念を押されたからには何かしら答えないとな、と思った僕は少しの間思考する。

うぅむ……。

僕がかぐや姫だとしたら……。

 

「……やっぱり、まず第一に浮気とかしない人?」

「まぁそうだよね~」

 

……あれ? なんだこの反応。

はじめから予想通りというか、まだあるだろ?って感じの目だ。

 

「ほらほら、次は?」

 

訂正、"感じ"じゃなかった。

 

「ほか、には…」

 

考える。

考えて、考えて、考えて。

考えて……出した、答えは。

 

「僕と、勝ち負け、してくれるひと」

 

…その、ぼそりと呟かれた言葉を教室にいた誰もが耳聡く聞きつける。

いつもそれとなくはぐらかすクラスメイトの"本音"。

それはみんながみんな、どことなく察していた文言そのままで。

そして同時に、それが本人の口から出たことの意味もまた理解していて。

だから誰も何も言わない。

ただただ、固唾を飲むだけ。

飲んで、"これから"の算段をつけ…。

 

 

何だか、最近周りからよく併走に誘われる。

前からも併走の頼み自体は時々あったが最近は片手では足りないほどに、またブッキングしてしまうくらいに頼まれることが増えてきた。

別にそれ自体は構わないのだが……こう、なんだろう?

まるで『僕じゃなきゃダメだ』と、言われているような感覚に陥っている現状。

もちろん、そういうわけじゃないことは分かっているし、あくまで例えであって本当はそうでないことも分かっているつもりなのだけれど。

こうも続くとなると、…ねぇ?

それにしても今日は何時もの面子に加えて何故か生徒会業務で忙しいはずのルドルフまでいる。

しかも、なんか機嫌がいいのか悪いのかよく分かんない雰囲気だし。

 

「…じゃ、うん。やってこ〜…」





僕:
シルバーバレット。
望みのハードルがお高い。
高嶺の花というか高嶺よりももっと高いところにいそうというか…。

周り:
それがどんな無理難題だろうと。
課題を明確に示されたために『やったらぁよ!』状態。
勝ち負けできたらだよね?
もし勝ち負け(そう)できたら…"約束"守ってくれるよね?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。