絡めとっては、逃がすまい。
シルバフォーチュンは健啖家が好きである。
また世話好きでもある。
「ありがとう」
手渡した渾身の作の弁当は丁寧に受け取られ。
「……あぁ、美味しいぞ」
そして一口食べてから素直に感想を言ってもらえるのも、嬉しい。
それから今度でいいからおかずに何々を入れて欲しいとか、この味付けが好きだとか、そんな話をするのだ。
「…………」
だが今日に限って言えば、少し様子が違った。
いつもなら和やかに会話をするのだが、今は黙々と箸を動かしている。
何か考え事をしながら、といった感じだ。
(どうしたんだろう?)
砂糖と塩を間違ったか?
それとも相手の嫌いな食べ物でもいれていたか?
…いや、でも相手は好き嫌いなんてないと前に言っていたし。
うーん……。
「ごちそうさま」
考えている間に、完食してしまったようだ。
結局、味について何も言わなかったけど大丈夫だったかしら?
まぁ何も言われなかったということは不味くはなかったということ?
「さて……」
目の前にいる彼が弁当包に包まれた空になった弁当箱を差し出してくる。
けど「さて……」なんて言われながら差し出されたものだから、思わず不安になってしまう。
だっていつもよりも重々しいんだもの。
「ううん、ええと…」
何を言われるのだろう、と身構えていると彼はこちらを見つめてきた。
その瞳には真剣さが宿っていて、ちょっと怖いくらいだ。
「キミは僕のことが好きだよな?」
「はい!?」
いきなりなんですか!
そりゃあもちろん好きですけれども!!
って、あれ?私、いま…!?
「なら、安心して言える」
「へ、あ、え…?」
「キミのご飯を毎日食べたい。結婚してくれないか?」
「…はい」
こうして私は彼と結ばれたのです。
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「へぇ、そういう…」
「そう、そうなの!」
「仲睦まじいようで何より」
大きくなったお腹を撫でる妹に兄である男はゆるりと口元をゆるませる。
…昔から人の目を惹く妹だった。
見目も、性格も。
ただ本人は恋愛ごとに興味がないのか、「好きな人はいない」「恋人はいらない」と言っていた。
だから彼女のことを想っている有象無象はみな一様にして肩を落としていた。
しかしそれも昔の話だ。
彼女は恋をした。
それはもう幸せいっぱいという顔をしていた。
そして彼女が選んだ相手が自分がよくしている後輩だと知ったときは驚いたものだが、納得できた部分もあった。
───純朴な男。
たしかにこの男なら妹も任せても大丈夫だろうと、思えるほどに件の後輩は良い奴であったからだ。
「…甥っ子、楽しみだなぁ」
【銀色の運命】:
シルバフォーチュン。
ご飯をいっぱい食べて、「美味しい」と伝えてくれる人が好き。
どっちかと言うとふわふわおっとりちゃんなので落ち着くところに落ち着くまでは家族に守られていた。
旦那:
芦毛の健啖家さん。
純朴だが攻める時は攻め攻めになる。
つよい。