さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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愛しの妻そっくりの娘たちだからね、仕方ないね。



パパは心配性

ヒカルイマイは我が子たちを溺愛している。

本人はバレていないと思っているが不器用ながらも気にせずにはいられないところとか、ふとした時にソワソワと妻であるホワイトリリィに「アイツは大丈夫か」「ケガとかしてないか」などと、「電話すりゃいいじゃねぇか」と言われるくらいには心配性なのを自覚していない。

 

「お前ソレ肌出過ぎじゃねぇか?」

「…パパがそう言うなら」

 

日課の畑仕事から帰ってきたあと、年頃の娘が出かけようとしている姿を見咎める。

長女であるシルバフォーチュンも女性にしては中々に体格が大きく育ったが次女から後はそれよりももっと大きく育った。

「母親からの遺伝かね」と苦笑いする父親だが、その母親本人は「外の血ってスゲェな」と思っているのでお互い様である。

 

「あぁ、そうだ。今日は何時頃に帰るんだ?晩飯までには帰ってこいよ」

「うん、わかった」

 

そして娘が出かけて行った後で気付くのだ。

 

「しまった!汗臭くねぇよな…?」

 

『パパ臭い』の言葉には、さすがの【電撃の差し脚】も耐えられまい……。

 

 

母であるホワイトリリィの見た目をどことなくそのまま引き継いだように、その家の13人の兄弟の内4姉妹は多少の違いはあれど全員が全員人目を惹く容姿をしていた。

どれほど低くても170台の長身に、その体つきに見合ったグラマラスなボディライン。

男ならば誰もが振り返るであろう美貌を持つ娘たちだが、大本である母親と比べるとやや幼い顔立ちだったり、あるいは逆に大人びた雰囲気を持っていたりと様々なタイプの娘たち。

ただ共通していたのはその身に纏う魅力だろうか。

思春期を迎えればそれはより顕著になり、男たちの目を引き付けるようになった。

 

「…娘は渡さん!!!!」

「うお、いきなりどうした」

 

年々妻に似ていく娘たちにヒカルイマイがそう叫ぶのもまぁ仕方の無いことではある。

ヒカルイマイは長年連れ添った今でも妻にゾッコンなので、その妻ソックリの娘たちがモテるのは当然と言えば当然だ。

しかしそんな娘たちにも欠点というか難点があった。

 

『お父さん/パパみたいな人じゃなきゃイヤ!』

 

笑顔で言い放たれる、男の心を深くえぐる一言であった。

 

「…いつからああなったと思う?」

「好かれてるならいいんじゃねぇか?」

「アイツら結婚できっかなぁ」

「できるはできるだろうけど、まずはアンタがそれを許すかどうかだよ」

「…………」

「なんだその間は」

「いや、許すっつーかな」

「歯切れが悪ィ」

「……お前そっくりだから、アイツらがダメな男に騙されたりしたらって思うとよォ」

「私からしてみりゃあ、『お父さんと結婚する!』がガチにならなくてよかったぜ?…テメェは、私のモンだろダーリン?」

「…もちろんだ、ハニー」





【電撃の差し脚】:
ヒカルイマイ。
妻そっくりになっていく娘たちのことが心配。
それはそれとして匂い対策とかちゃんとする系パパ。

【白百合】:
ホワイトリリィ。
大概ウチの家系の女はデカいが自分の娘たちはそれに輪をかけてデカく育っているので外の血ってスゲェや…と感嘆している姿。
それはそれとして娘の『パパと結婚する!』が本気(マジ)にならなくてよかったなぁとも思っている。
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