さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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元性別軸での話。


父との交流

「侃侃諤諤だぁ…」

 

思わずボヤきながら子どもたちと顔なじみたちの舌戦を見守る。

久しぶりに子どもたちの住んでいる場所に帰ってきたかと思えば、それを嗅ぎつけた顔なじみたちが乗り込んできてVSし始めたのだ。

 

「全員参加してるぅ…」

 

あれ?この子普段は大人しいよね?という子も舌戦に参加しに行ってしまっているのでお父さん怖くて涙ちょちょ切れてるよ。

同期も皇帝もみんなみんな顔が怖いんだよなぁ!

 

「よォ、元気にしてっかガキ」

「どう゛ざん゛」

「うわ、きったね」

 

部屋の隅でプルプルしていると、どかりと隣に座る影。

おずおずと覗けばそこにいたのは父であるヒカルイマイだった。

 

「あーあー、泣くことねぇだろ」

「む゛り゛!」

「へいへい慰めてやるからこっち来い」

「う゛ぅ゛ぅ゛…」

 

久しぶりに会った父に抱きしめられるのは流石に恥ずかしい。

僕はもうとっくに大人の年齢であるので。

しかしそれでも今の現状から現実逃避したい気持ちもあるというか…。

 

「外にメシ食いに行くか?」

「…行くぅ」

 

 

何だかんだ可愛い子どもだと思う。

たった一人で世界を引っくり返した我が子は俺にも産みの母であるホワイトリリィにもあまり似ていない。

そこら辺にいるガキ程度の高さの頭を撫でて慰めてやりながら昼メシを食う店を探す。

 

「なに食いたい」

「何でもいいよ…」

 

休日だから人が多いなんて理由をつけて、離れないようにガキと手を繋ぐ。

いつもはぼうっとして自分勝手する癖して、自分の許容範囲外のことが起こるとすぐに放心しやがる。にしても、泣いてるのは初めて見たな。

 

「お前、今でもあんまメシ食えないままか?」

「え…?うん、そう、だけど…?」

「そうか」

 

俺の質問に困惑したようなガキの手を引き、馴染みの店に入る。

残りは俺が食ってやるからと言い含めて好きなのを注文させる。

それでやって来た料理を四分の一取って寄越してきたガキを見ながらビービーうるさいメールの確認をする。

 

「…どうしたの、父さん」

「何でもねぇ」

 

 

舌戦をしている間に目的であるシルバーバレットをかっさらわれたことに対して、たとえ彼の父であるヒカルイマイでも許してはおけぬとブチ切れた顔なじみ+子どもたちが家で待っていることを、その中でも一番怒っているのがシルバーバレットの母であるホワイトリリィであることを、下手人たるヒカルイマイはまだ知るよしもないのだが…、

 

「…父さん、頼み過ぎじゃない?食べられる?」

「ほら食え」

「えっ?僕が食べるの?」

 




僕:基本的にはどんなことが起こっても真顔だったり、ヤバくても現実逃避するだけだが今回の子どもたちvs顔なじみの取り合いバトルの苛烈さには怖くて泣いた。
なかなか会うことはないけど父であるヒカルイマイのことは慕っている。

ヒカルイマイ:息子の僕のことをそれなりに可愛がっている。
僕の前では一応落ち着いた面を見せている…らしい。
何だかんだ漁夫の利していくことが多い。
僕の母であるホワイトリリィの尻にひかれてそう。
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