さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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なお。



夢渡り

「なんか、眠そうだな」

「…わかるぅ?」

 

ウトウトと船を漕いではハッと目を覚ます友人を見ながらサンデーサイレンスは顔を顰めた。

 

「…変な夢でも、見たか?」

「えぇ?…んふふ、よく分かるねぇ〜」

 

ビッシリと黒い隈が着いた目じり。

妙に間延びしきった喋り方。

そして、返される言葉もいつもよりずっとずっと遅いとあれば…分かりたくなくても分かるというもんで。

 

「…とは言ってもさぁ、」

「あぁ」

「どんな夢見たのか、ずーっと忘れちゃってるんだぁ…」

「…『ずっと』?」

「うん。同じ夢を見てることは、分かるんだけどね…」

 

大きな欠伸。

寝ても、そう時間の経たないうちに内容の覚えられない夢で起こされると嘆いた友人は、そのまま机の上に突っ伏した。

……。

 

「なァ、」

「ん〜?」

「寝るならベッド貸すぜ?」

「え〜…?いいよ…べつに」

「俺が貸してやるってんだから有難く拝領しろや」

 

やいのやいのと煩い体をひょいと持ち上げてはベッドへリリースする。

 

「うわっ!?ちょ!何すんだよ!」

「うるせェ、お前はもう今日はそこで大人しくしとけ」

「……。…はぁ。じゃあお言葉に甘えて……お休みぃ〜」

「おう、良い夢見ろよ」

「ありがと…」

 

 

やっと。

うなされることもなくなって、穏やかに眠り始めた姿を見て、ふかくふかく安堵の息をつく。

それと共に、

 

「…」

 

目の前にいる【ソレ】と目線を合わせる。

もはや元がナニだったかも分からないほど変質した【ソレ】。

元は人型であったであろうことは辛うじて理解出来るものの、今となってはその原型すら留めていない。

ただただ、ひたすらに醜悪で、吐き気を催すような嫌悪感しか抱けない存在だ。

そんなものが、何故友人に()()()いるのか、サンデーサイレンスにはさっぱり見当がつかないが、

 

「お前らにゃあ、やらねぇよ…」

 

掴むところならどこでもある【ソレ】を乱雑に引っ掴む。

その瞬間、形容できないほどの気持ち悪さが全身を襲うが知ったことではない。

 

「……ッ!!」

 

不快感に耐えながら握り潰せば、ドロリとした体液のようなものが流れ出すと同時に、耳障りな断末魔のような叫び声が上がる。

しかしそれもすぐに止み、静かになり…。

 

「ふぅ…」

 

今日、アイツの姿を見た瞬間思わず目を疑った。

あまりにもおどろおどろしいモノに縋りつかれては『コッチヲミテ』と囁かれていたからだ。

だからこそ、咄嵯の判断で友人から引き剥がしたのだが、

 

「…今日の体調は、ちょっと、ヤバそ……」

 

言語化できない気持ち悪さにサンデーサイレンスがベッドにダイブするまで、後…?





僕:
シルバーバレット。
今回は憑かれてグロッキーなすがた。
がしかし、目が覚めたらスッキリしててビックリ。
でもその代わりとでもいうのか、マブが体調不良になっていたので慌てて世話を焼く模様。

マブ:
SS。
何かフツーに視えてそうだし、除霊(物理)できそう。
友人に憑いては苛んでいた【ナニカ】をグチャ!した。
結果、友人の安寧と引き換えに体調不良というデバフ(一時的)をいただいた。
けど友人が世話を焼いてくれたのでニッコリ。不幸中の幸いだね。

【ナニカ】:
女性の生霊の集合体。
元は個だったモノが『同じ気持ち』の元に寄り固まって大きくなった。
ネェ、ミテヨミテヨミテヨミテヨミテヨミテヨミテヨ…。

見 ろ

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