【前回のあらすじ】
言質を取った。
「な、なら、今度の休み僕の家に来ないか?」
いいのか?との問いにブンブンと首を縦に振る。
言質を取ったのだ、なら今度は外堀埋めだろう?
何度も何度も確認を入れて約束してから浮き足立って家に帰り、クローゼットを開く。
どれがいいかな?
とは言ってもこういう時の勝負服と言えるような服は持ってないから良い感じになるような服を選んで…。
「えへ、えへへ…」
約束の日のことを思って顔がニヤける。
格好良いキミは、約束の日にどんな格好をしてくるだろう?
でも僕よりはずっとずっと…!
「かっこういい…んだろうなぁ…」
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そして当日。
待ち合わせの時間よりも少し早く着いてしまった僕はドキドキしながら待ち合わせ場所に向かったのだが───。
「えっと…、ごめん。聞きたいんだけど待ち合わせ時間って…」
「あ、よかった。にしてもいつから待ってたの?…え?一時間前!?」
「そ、そんなに早くから来なくても、…うぇ!?」
待ち合わせのところに何だか人集りが出来てるな〜…、まさかな〜…と思ったらそのまさかで。
変装ありだけど元が有名バだからね、と苦笑していると手を握られて。
引っ張られるように連れて行かれる。
「えっ、ちょっ、手……!」
「い、いやじゃないけどさぁ!!」
…………もう、ズルいなぁ。
そんなことされたら。
*
「なんで僕がガチガチなんだって?…そ、そそそ、それは気のせいじゃないカナァ!?」
そうして。
何とか我が家に辿り着きました。
けれど何も知らないキミとは違い、『今日ここで外堀埋めようぜ!』と思っている僕からしてみればこの上なく心臓に悪い状況であるわけで。
……というかよく考えたらこれ顔合わせじゃん!!
どうしよう!何を話せばいいんだろ!?
「よォ、おけーり」
「た、ただいまぁ…」
手汗がスゲ〜!顔もアチ〜!
下向いたまま家族の顔も見れねぇわ、横にいるキミの顔も見れねぇわでどうすりゃあいいんですかねコレェ!!!
「ほら、取り敢えず紹介しろ」
「ひゅぃッ!?」
背後からの声と共に背中をポンと叩かれて変な声が出た。
慌てて口を押さえて恐る恐る振り返るとそこには呆れた表情の父さんと穏やかな顔で僕を見守るキミの姿。
「あ、あの、えっと…」
「おう」
「隣の…子は、僕の、友だち、で」
「へぇ…。なァ、アンタはコイツのどういうところが良かったんだ?」
「り、リリィさん!?!?」
カッスカスで震える声で絞り出した言葉は事前の思惑とは裏腹に取り繕いに取り繕ったもので。
この一言を言っただけで泣きそうになる自身を叱咤しよう…としたら。
ブッ込まれました(白目)。
「あ、あの、待って、待ってってば…!」
止めようとしても我が意を得たりと言わんばかりのキミは止まらなくて。
次から次へと父さんと母さんに僕のこんなことやあんなことを喋り始めては…。
「……(お目目ぐるぐる)(キャパオーバー)(ばたんきゅ〜)」
僕:
シルバーバレット。
言質を取ったので外堀を埋めた()。
でも決意するまではいいとして実行に中々移せない弱者勢なので…。
んでそんな様子を見られては家族や相手にニッコリされた模様。
レースではあんなにつよつよなのにねぇ?
御相手:
頑張って外堀埋めようとする僕を可愛いなぁ…(ハイライト無し目)している。
何も気づけないまま堕ちてきた僕を手放すつもりなんて無いし勝手に外堀埋めようとしてくれる僕にウェルカム状態。
またこっちの面では弱者な僕にガンガン行こうぜ!する。
まぁここまで僕が堕ちていれば「やり過ぎたかな?」ってなっても一族特有の丸っと包容力してくれるから…。
僕の父母:
御相手の裏をそこはかとなく察しているが最終的には僕に調教されて超優秀な番犬になるだろうからいっか…した。
それにあの僕が選んだ相手だし。
生まれてこの方誰か(トレーナーを除く)を連れて帰ってくることなんてなかった僕が突然人連れて帰ってきたんだから察さない方がおかしくない?
だがそれはそれとして、僕を泣かせたら…分かってるよな?