ウマ娘化はいい文明。
「こ、こんちゃす、先輩…」
「一体全体なんでそんな面白ぇことになってやがる」
「お、俺に言われても分からないっスよ!」
朝早くから後輩よりヘルプコールがかかり、「どうした!?」と駆けつけてみればコレだ。
離れた別室からも似たような「ビャーッ!!」みたいな泣き声?悲鳴?が聞こえてきているが。
「へぇー…?」
「やめてくださいっ!」
「おうおう」
「今の服でもギリギリなんスから…」
髪が長く伸びて、スラッとした手足。
「どっか歩けばすぐナンパされんじゃね?」と言えば「嫌です!」と泣き声混じりの拒否があげられ…。
「嫌だァ…。もうお婿に行けない…。おふくろみたいによく分からんシンパに囲まれることになるんだ…。嫌だァ…」
「……」
……あぁ、そういやコイツも"そっち側"だったな。
よく分かんねぇけど、そういう連中を引き寄せやすい体質らしいし。
「ま、大丈夫じゃね?」
「何を根拠に言ってんですか!こんな美人に!?」
「自分で言うのかよ」
「言いますよ!…は〜、おふくろに感謝しねぇと」
嫌がりながらも「美人は目の保養」だとかほざいているのを見ると帰っていいかな、と踵を返したくなるのだが「いてください!」と引き止められれば仕方ない。
それにしても本当に美人だな。
「うぅ……まさかウマ娘になった自分がここまでとは思いませんでした……」
「そうかい」
「そうなんですよぉ!!だって考えてみてくださいよ!この顔ですよ!?」
「そうだな」
「しかも身体つきまでこうなるなんて誰が思うもんですか!」
「確かにな」
「聞いてくださいよォ!!!」
「うるせえぞ、バカタレ」
「あうっ!」
…寝間着が寝間着なんだから、そう迫ってくるんじゃねぇや。
『オレのそばに近寄るなああーッ!』
「おっ、」
別室からでもこちらに聞こえるぐらいに響いてきた我が子の声にあっちもあっちで似たようなことになってんだろうなぁ、と思いながら。
「…着替えた方が、いいんじゃないか」
「でも胸部装甲()に合う大きさの服がないもんで」
「何でもいいから取り敢えず着替えろや」
「そしたら腹チラになるんですがいいんで?」
「なッ、」
「まぁ引退して随分年経てるモンだからちょっとプニっとはしてるでしょうが」
「……」
「あっ、ちょっ、待って!無言で出てかないでくださいよ!」
「お前さっきからマジで調子乗るのもいい加減にしねえとぶっ飛ばすぞ」
「すいませんでした!」
「ったく……」
ガリガリと頭を掻きむしる俺に「ハゲますよ」なんて誰が元凶だと思ってんだ阿呆。
その気持ちからピン、とまたデコを弾けば「あ痛ぁっ!」と大袈裟な悲鳴が上がった。
後輩:
シルバーチャンプ。
どうしてウマ娘になってんの…?
でも母親似の美人になっているのは嬉しい。
んで母親似であるため胸部装甲も臀部装甲もデカい。
なお混乱しまくった結果、先輩を招集した。
…だって母親呼んだら着せ替え人形にされそうだし。
先輩:
【金色旅程】。
何やってんだコイツ。
何故か娘化した後輩のソコソコのタッパについた装甲×2を見ながら「寄るな寄るな」していた先輩。
ちな子である【夢への旅路】も後輩の子である【銀の祈り】と似たようなことになっていた模様。