さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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でも、違和感が…?



親友になりたい!

はじめてその子を見た時、無性に胸が高鳴った。

なぜかは分からない。

でも、ずっとずっと待ち焦がれていた存在を見つけた時のような、そんな歓喜が胸の中に飛来したことは…確かであった。

 

「マックちゃん」

 

自分よりも幾分か後輩。

しかし同期や他と比べても気にかけている存在(まぁ同期は放っておいてもだいたい何とか自分で解決してるし、ヤバい時は総出でどうにかするしね)。

同じ芦毛だから?

メジロ家っていう、関わるのに少し気後れされやすい立場だから?

……違う。

そうじゃない。

ただ、単に。

 

「マックちゃん」

 

僕はキミと、友だちになりたいらしい。

 

 

シルバーバレットというウマが、他人に対して興味を抱くことは、次の日の天気はすわ天変地異かと噂されるほど珍しいことであった。

それは、そのウマが孤高の一匹狼であるからではない。

むしろ、シルバーバレットは他人と関わることをあまり忌避しない方だった。

ではなぜか?

簡単なことだ。

シルバーバレットが人付き合いに積極的でない理由はただ一つ。

『(何か色々と問題が起こったことがあったので)面倒くさい』からである。が、

 

「マックちゃん」

「……」

「マックちゃーん?」

「……」

「もー!聞いてるの?マックちゃん!」

「……飽きませんわね、本当に……」

 

もはやじゃれつく小動物の勢いでシルバーバレットがメジロマックイーンに絡む。

『仲良くなりたい』が先走りすぎて、遂には呆れのため息ひとつでも喜ぶぐらいの極地になってきている有り様は見る人が見れば随分と…な顔つきでじぃと見つめるものだろう。

しかし、メジロマックイーンはそんなシルバーバレットの奇行にも慣れたのか、もはや諦めの境地に達したのか。

 

「もう……なんですの?さっきから」

「いやさ!マックちゃんってかわいいなぁって!」

「はぁ……」

「あ、信じてないね!?本当だよ!僕嘘つかないもん!」

「はいはい」

「もー!本当に思ってるんだよ!?」

 

この通り、随分と仲睦まじい様子であった。

(ちなみにこれはいつものことである。この会話を飽きもせず会うたび会うたびにするので、もはや学園内では名物と化していたりする)

 

「あ!そうだマックちゃん!」

「なんですの?」

「今度さ、一緒にお出かけしようよ!」

「……はい?」

 

唐突なお誘いにメジロマックイーンは目をぱちくりさせる。

そんな様子にシルバーバレットは構わず続けた。

 

「ね?行こうよ!僕と一緒にお出掛けしよっ?」

「……それは構いませんけど」

「やったぁ!じゃあどこに行く!?どこに行きたい!?どこ行く!?」

 

 

マックちゃん──メジロマックイーンを見た時、この身に到来したのは歓喜で間違いなかったけれど。

その種類はどうにも不思議だった。

言うなれば『生き別れていた親友にやっとこさ再会した』みたいな。

そう思ったとき一瞬『…?』とは思ったけど、とりあえずマックちゃんとはやく仲良くなりたくて、僕はマックちゃんに絡みに行くことにした。

 

「マックちゃん!」

 

メジロマックイーンは芦毛のウマ娘だ。

目立つ髪色でよかったなぁと、ちょっと思った。

そんな僕の思考をよそに、マックちゃんは少し嫌そうな顔を浮かべる。

……あれ?なんで?

 

「マックちゃーん?」

「……なんですの?」

「聞いてよ!僕さ、今度「嫌です」ん?」

「あなたは、私だけを見ていればいいでしょう?」

「…あれ?」





僕:
シルバーバレット。
【名優】に何かを感じた。
【名優】と親友になりたい。
ただそれだけ。
でも…どことなく違和感を覚えていたりも?
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