さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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何かやってないと落ち着かないタイプの銀弾。



休めワーカーホリック!!

「ちょっと疲れちゃった」

 

ほんの、出来心というか何というか。

ふと口から出た言葉を腹心である一番上の子に聞かれた結果、次の日から無期限休養みたいなことになって。

「いやそこまでは望んでない」と言うも、「父さんずっと働き詰めでしたから」と綺麗な笑顔で言われ、「そ、そっか…」とつい頷いてしまった。

でも、まさかこんなことになるなんて。

 

「……働き詰めはどっちさ」

 

愚痴をこぼすのも仕方がないと思う。

だって、この状態は流石に予想外だもの。

僕は今、家の一室で軟禁されている。

元よりそう作ったから、部屋の中にはトイレやお風呂にベッドまで完備されていて、生活に必要な物は全て揃っている。

ただ外には出られず、部屋の中でのみ行動が許されるという縛りが…。

 

「…」

 

子どもたちがオススメと漫画やら本やら何やらと娯楽のものを持ってきてくれたから暇は潰せるだろう。

しかしずっと働き詰めの、ワーカーホリックだった体は、

 

「……うぅ……落ち着かないよォ……」

 

ベッドの上でゴロゴロしながら、そう呟く。

 

「何かできることないかなぁ」

 

料理も禁止されてるから何もすることがない。

ぼうっとしてても「あの仕事いつまでだっけなぁ…」と考えてしまうし。

だから僕は早々にぼんやりと天井を眺めることにしたのだ。

だがそれも長くは続かずに……。

 

「……、……、………」

 

無だ。

無だよ、もう。

何もすることがない。

 

「……」

 

何かしてぇな〜。

したいんだけどな〜。

……うん?

そうしていると段々眠たくなってきた。

ずっと働き詰めだったせいか、体が休み足りないと言っているのかもしれない。

……寝ようかな……いやでも……。

なんてことを考えるうちに、いつの間にか僕の意識は闇の中に落ちていたのだった……─────。

 

 

ずっと隈を携えている父だった。

「仕事してると落ち着く」とか言い出しかねないぐらいにはワーカーホリックである父は、休ませたくともすぐには休めない。

だから、父を休ませるにはどうしたらいいか考えた結果、「強制的に仕事をさせない環境を作る」という結論に至った。

……とはいえ、父は仕事人間だ。

そう易々と休んでくれるとは思えない。

思えなかった…のだが。

 

「ちょっと疲れちゃった」

 

その一言を聞いた瞬間に、体は咄嗟に動いていた。

すぐさま父を、父の私室に突っ込み、きょうだいたちを集めて根回し。

きょうだいたちだって父を心配していたから快く共犯になってくれた。

そうして父を軟禁すること一週間。

 

「ごはんおいちい」

 

その一言を聞いて、僕はほくそ笑んだ。

嗚呼……やっと休んでくれる気になったのだな、と。

 





僕:
シルバーバレット。
何かしてないと落ち着かないタイプ。
あとさっさとやらなきゃいけないことを終わらせたいタイプなのでさっさとやっては仕事がいっぱい来たりする。
なのに家族サービスも充実させてるし、食事も全員分満足できるくらいに作るもんだから…ね?
休めこのワーカーホリック!!
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