さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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差しきられる銀弾定期。

「僕こんなキズものだし、キミよりも身長小さいし、キミのお父さんお母さんよりも年上なんだけどなあ!?」



世紀のロイヤルウエディング…?

一目見て気がついた。

『あ、この子、あのジャパンカップで会った子だ』って。

僕は本業の傍ら、時たま学園で生徒のカウンセラーをしていて。

『異国からの留学生だから様子を見てやってくれ』と要請を受けて、彼女を担当したのが始まりで。

 

『……あ、えっと、……こんにちは』

 

僕は軽く会釈をした。

 

『……こんにちは』

 

彼女は少し驚いたような顔をしてから、ぺこりと頭を下げた。

 

「日本語喋れます、から」

「え? ああ、そ、そっか。すごく綺麗に話すね……」

 

『なんでこの学園に?』と聞きかけてやめた。

それはきっと聞いちゃいけないことだと思ったから。

 

「こんにちは、先生」

 

彼女はよくカウンセリングルームに来た。

僕が部屋に在中する日は必ず来て、昼休みから何から、空き時間ならすべて潰しかねん勢いで。

それにそれとなく言ってみたら二人で外に遊びに行ったりすることになっちゃって。

 

「あげる」

 

自分が使っているセーフハウスの鍵をあげたのは善意だった。

まあ彼女なら悪用なぞしないだろうという信用もあった。が、

 

「好きよ」

 

……嗚呼、どこでミスったかな。

 

 

「キミの気持ちには応えられない」

 

少なからず、彼女のことは好きだったけど。

彼女と僕には年齢差があったし、そもそも…異国の名家の出である彼女の血に僕の血を混ぜるなんてそんな大それたこと出来なくて。

 

「…穢れた血、だから」

 

昔言われた言葉が巣食う。

今だって、みんなに隠してるけど脅迫状や誹謗中傷は来るし。

僕だけなら何を言われても構わないけど、彼女にまで累が及ぶのは…嫌だ。

そう強い想いを込めて拒絶したのに。

 

「それがどうしたの?」

「どうしたって…!」

「私が」

「…っ!?」

「私が、ファインモーションが、貴方がいいと決めたのです」

 

───従いなさい。

静かな威圧だった。

可憐な少女の中に普通は内包されるはずのない、強者の、威厳。

 

「それに」

 

彼女は笑って言った。

 

「私が、愛する人に向けて、そんなこと言わせるわけがないでしょう?」

 

 

そうして。

僕らは結婚することになった。

僕は何度も反対したのだけどその度に押し切られて。

反対材料だって沢山出したけど、出す度に潰されて。

その中で一番の決め手は、

 

「え、ええ…っ!?」

「ね?言ったでしょう?」

 

何を言っても、やっても反対ばかりする僕に彼女がしたのは───。

 

「素敵な結婚式にしましょうね。───私のハニー♡」

 

全世界に大々的に成された報道。

その中には結婚式の日取りもすべて、すべて…。

 

「え、え」

「あなたは私の横で笑っていればいいのよ。ね?」





僕:
シルバーバレット。
ウマソウル作用で【気ままなお姫様】のことは憎からず想っている。
まあそれはそれとして【気ままなお姫様】の見た目が好みだったりする。
でも結婚に至るまで紆余曲折あり(サラ系のこととかそれに関する未だ続く誹謗中傷とか)、最終的には【気ままなお姫様】の逃げ道塞ぎの全世界報道になった。
その時に【気ままなお姫様】の本当の素性を知るんですね!
んで周りはそれ諸々を聞いて「!?」ってなるんだ。
それとはまた別にマリッジブルーに、マタニティブルーになるのは【気ままなお姫様】ではなく銀弾(こっち)の方だったりする。

「ハイセイコよりも年下のお嫁さんを迎えちゃった…。絶対ロリコンって言われるよなあ。それに仕事の拠点移せなくてファイン嬢が時々こっちに来る遠距離婚になっちゃったし…絶対こんな伴侶嫌だよなあ(そんなことはない)」
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