さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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だから責任を。



こうしたのはキミの方

叶わぬモノを夢見ることほど虚しいものはない…と、言ったのはどこの誰であったか。

 

「はァ、」

 

夢見た最後、もう終わりだ。

諦めたくとも諦められない境地に入る。

いわゆる、「諦めましたよ、どう諦めた、諦めることを諦めた」みたいな。

何度その夢を振り払おうとしても張り付くみたいに。

 

「はァ、」

 

……とまぁ、ここまで言えばわかるだろうが……僕はいま現在進行形である存在のことを考えてるのだ。

いや別にこれは恋とか愛だとかいうそんな浮かれた感情からくる考えではないぞ?

絶対に違うからな?…コホン。

 

(あっちの方からアプローチかけてきた癖に〜!)

 

思い出されるのはいつかのこと。

ひとりでいた僕に挙動不審に近づいてきて多分「仲良くなりたい」的なことを言ってきたあの子(多分、とつけたのは吃りすぎて何を言ってるのかよく分からなかったからだ)。

それからもちょくちょく話しかけてきて、いつの間にか学校でも話すようになって。

その過程で相手の好意は僕の方にも伝わってきて……。

 

「あ゛〜……」

(だから!違うって!!)

 

別にあの子のことを好きとか嫌いとかそういうわけじゃないし。

そもそも僕は誰かと懇意になる気なんてサラサラ無いのだ。

だって僕には夢があるのだから。

……いや、確かにちょっとばかしあの子みたいな存在がいたら嬉しいな?と思ったことがないわけではないけど……。

閑話休題。

 

「……」

 

それはそれとして、だ。

最近、あの子が素っ気ない。

それまではデカい犬みたいに構って構って!って第三者の目も気にすることなく絡んできていたというのに、ここ数週間は話しかけてもこないし、そもそも姿すら見かけない。

 

「……」

 

…… 寂しいとかそんなんじゃないし!ただちょっと物足りないというか、なんというか……。

 

(あ〜もう!)

 

むしゃくしゃするから寝る!!と布団に潜り込んだところでピンポーン!という音が部屋に響いた。

 

(誰だよこんな時間に……!)

 

無視を決め込んで寝ようとするが一向に音は鳴り止まない。

 

(ああくそ!)

 

仕方なく起き上がり、ガチャン!!と勢いよくドアを開ければそこには。

 

「は、」

 

気まずそうな顔でケーキの箱を持った…件のあの子。

「こんな時間に来るのも迷惑だと思ったけど」と頬を掻きながらポソポソ呟く様に思わず固まる。

「でも、どうしても会いたくて……」

と続けられた言葉に顔が熱くなるのを感じる。

 

(いや!違うから!!)

 

これはあれだ。

夜遅くに訪問してくる非常識な行動に対する怒りであって別に照れているとかでは断じてない!……はずだ。

 

「……とりあえず、中入る?」

 

そう告げれば驚いた顔をするあの子。

それから少し逡巡した後、お邪魔しますと小さく呟いて玄関へと足を踏み入れたのだった。

 





僕:
シルバーバレット。
まんざらでもない。
案外認識したらちゃんと見てると思われ。
なので押されてたところ急に引かれるとモヤッとしたとかどうとか。
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