さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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そこそこ産駒が日本とか他国に渡っている系【戦う者】さん。



どんな人だった?

「エ?パパ上のことデスか?」

 

こっちのトレセン学園に入ってから、Daddyのことをよく聞かれる。

MeのDaddyは元々この国の出身で、海外遠征の折にあのまま骨を埋める覚悟をしたとは聞いていたけれど。

『キミのお父様は元気だろうか』とか、『キミから見たお父様はどんな方なのだろうか』とか。

 

「ンー……パピー、基本やさしいデス。きょうだいにもすっごい懐かれてマス」

「料理だってすごく美味しいですし…ジュルッ、いっぱい遊んでくれたり勉強教えてくれたりも…」

 

脳裏に思い描くのはちょこちょこと雛のようにDaddyの後ろに着いていくMeたち。

やさしいDaddyに構って欲しくて、

 

「でも……たまにちょっと怖いデス」

───えっ?

「昔、Daddyと遊びたくて、Daddyの部屋に入ったら……」

 

『違う』

『それはそうじゃないって』

『だからキミってヤツは…!』

 

そんな声がして。

Daddyはやさしいからよっぽどの事が無いとそんなこと言わないって分かっているはずなのに。

まるで自分自身に言われているような気がして。

 

「……やっぱりオトータマも厳しい人なんデスかねぇ?」

 

とはいえ。

 

───教えてくれてありがとう。

「いえいえ」

 

ぺこりと会釈しつつ考える。

 

(どう足掻いたって、Daddyの一番は…)

 

 

「…ホント、デカい子どもだなぁ」

 

後ろからぎゅうと抱き着いてきたデカい図体をサンデースクラッパは苦笑ぎみに撫でる。

どうにも味見係に来たらしい燃えるような栗毛のウマは「あ」と既に口を開けて。

 

「熱いよ」

「ん。……はふっ、はふふっ!」

「…ふふ」

 

フーフーも無しにパクつくからだよ、とコップに水を注いで差し出す。

「おいし?」と聞けば、コクコクと凄い勢いで頷かれた。

 

「…ん。美味しいよ、スー」

「それは良かった。でもちょっと甘すぎない?」

「いや、あの子たちがいるだろう?これくらいで良いと思う。……うん、やっぱり美味しい」

 

はふはふと熱を冷ましつつ食べる姿にサンデースクラッパも微笑む。

 

「あの子たちは?」

「各々いろいろしてるよ。勉強したり遊びに行ったり小さい子たちは昼寝したりで」

「そう…」

「門限までには帰ってくるさ。あの子たちはキミに心配されるのが何よりもの薬だからね。…そういうキミは?今日は何してたの?」

「……ん、ちょっとね」

「ふぅん。……あ、そうだ。今度僕が料理作ってあげるよ!ほら、前に約束したでしょ?」

「え?」

「ほらっ、『スーに僕の作った料理を食べさせてあげる』って!」

 

サンデースクラッパは一瞬キョトンとして。

(そういえばそんなことも言ったっけか)と思い出す。

しかし、

 

「…消し炭は、やめてね?」





【戦う者】:
サンデースクラッパ。
半兄が半兄だし、産駒も結構活躍するし、母父になった場合の繁殖成績がめちゃくちゃいいので引っ張りだこ。
あんまり走らなくても繁殖に入ったらトントンか取り戻せるぐらいには…な成績を出す。
でも本人はそういうところに無頓着なので…。
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