さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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掴みどころなく。



雲がごとく

こんにちは〜。

はじめまして〜、ヒリュウジョウウンで〜す。

ぼかァもう引退して久しいんですケドね〜、話を聞きたいなんて物好きだな〜。

まずはプロフィールから〜?

えっとね〜、ぼくのお父さんはセイウンスカイさんで〜、母さんはシルバフォーチュンって言いま〜す。

ふたりともとても素敵なウマですよ〜。

そしてそして!ぼくの兄弟もすごいウマたちばかりなんですよ〜?

えっと、いちばん上のチャンプ兄(※シルバーチャンプ、父オグリキャップ)は凱旋門賞に行ってたでしょ〜?

って言ったらぼくの兄弟ほとんど海外遠征経験有りでした、てへっ!

んで次は〜、カウンタ兄(※カウンタアタック、父サッカーボーイ)!

カウンタ兄は末脚がすごいですね〜。

怒らせたらすごい脚で追ってくるんですよ〜、あのウマ。

あ〜こわいこわ〜い。

ほかは…デューク兄(※ミスタサーデューク、父トウカイテイオー)とかシェイク兄(※シェイクザシャドー、父ナリタブライアン)にはよく可愛がってもらいましたね〜。

それはそれとして…距離区分が似ているアクタ兄(※メジロアクター、父メジロマックイーン)にはしこたましごかれたんですケドね〜、アハハ。

ん、なになに〜?

ぼくの家族をもっと知りたいって〜?

そっか〜、そうだよね〜。

でも〜、今日はこれくらいにしておこうよ〜。

ぼくの家族のことより、ぼくはきみ自身のことをもっと知りたいな〜。

ね?お願い。

 

 

「うわ…」

「タラシが過ぎる」

「どこからアレが出たんです?」

「相手の女の子ポ〜っとしてるねぇ」

「だからあんなに…」

 

なんとなく、大丈夫かなと思って尾行したハズだった。

が、そんな兄たちの心配も露知らずヒリュウジョウウンはコロッと女の子を落としてしまった(しかも本バに自覚無し!)。

レースや取材のときのように気だるげながらキラキラした瞳で、 いつも通りニコニコしながら。

そんな弟の姿を見て、兄たちは思う。

これは放っておいたらマズイぞ、と。

 

「よし、俺たちで矯正するぞ!」

「そうですね」

「頑張ろうね〜!」

 

こうして上五人の兄たちは一致団結したのであった。

……なおこの五人もヒリュウジョウウンのことを言えないくらいに他人を誑かしているワケだが。

 

 

え〜?

ぼくは兄さんとか、ほかの兄弟たちよりマシだと思いますよ〜?

誑かす…って言われるのは人聞きが悪いですけど〜、ぼくはフツ〜に女の子たちとお話してるだけですって〜。

兄さんたちは鈍感だから〜同期のウマたちに何やかんやすごい視線向けられてますけど〜。

 

…ぼく、大丈夫です、よね……?

 





【飛竜乗雲】:
ヒリュウジョウウン。人懐っこい性格。
父セイウンスカイ母シルバフォーチュン。
2003生まれの芦毛牡馬。逃げ馬。
適性は芝AダG。短GマC中B長A。逃A先C差G追G。
主な勝ち鞍はステイヤーズステークス(2006,08).ダイヤモンドステークス(2007).ドンカスターカップ(2007,08).グッドウッドカップ(2008).カドラン賞(2007,08)

今日も元気な無自覚タラシ。
本バとしてはフツーに接しているつもりなのだが気づけばオトしている。
本バ目線では友だちなのにね。アラ〜????
基本は間延び口調でフワフワして掴みどころがないが、一度迫られるとヘタレして逃げられなくなる。ヤバイわよ…!(いろいろな意味で)
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