なんというか、僕は昔からいろいろな人に話しかけられた。
三歩歩けば声をかけられるくらいに、さまざまな人に話しかけられるのである。
それはそれとして、
『バレットせんぱーい!!』
ファンクラブができるほどってどうよ。
僕のどこにそんな魅力があるんだろう。
僕はどこにでもいるウマ娘なのに。
「キミたち、ちゃんと練習しなよ〜」
『はーい!』
聞き分けがいいのが救いだな…。
*
シルバーバレットというウマ娘は嫌に人の目を惹きつけた。
学園入学当初からファンクラブが結成されるほどであり、学園に通い始めて数年経った今もファンクラブの人数はうなぎ登りであるのだという。
「いや、ホントにゴメンねルドルフ会長…」
「いえいえ」
シルバーバレット宛に来たファンクラブからの贈り物を運ぶ。
申し訳なさそうにしているシルバーバレットとは裏腹にシンボリルドルフは内心ほくそ笑んでいた。
シンボリルドルフもシルバーバレットのファン…とまではいかないが彼女に注目している一人である。
だが関わり合いになりたくてもシルバーバレットはいつも人に囲まれており話しかけることさえできない。
そもそもシルバーバレット自身が自分に話しかけてくる人々を無下にする性格ではないため、彼女と仲良くなるためにはこういった時を利用するしかないのだ。
「なにしてるの?シルバー」
「あ、ミスター。それが…」
ほくそ笑んでいたのも束の間、ミスターシービーがひょっこりと現れる。
現れたミスターシービーにシルバーバレットは一緒に贈り物を運んでくれと頼みごとをし、ミスターシービーもそれを快く引き受け、
「…クソ」
「残念でした」
ニコニコと楽しげに荷物を運んでいくシルバーバレットを後目に三冠バ二人は火花を散らすのだった。
*
「元気かい、親友」
誰もいない静かな場所でシルバーバレットが虚空を見上げている。
通りがかった人が見れば可笑しくなったと思われそうな光景だが、
「僕も元気だよ。…ご飯もちゃんと食べてるって!」
シルバーバレットには『ナニカ』が見えているようだ。
楽しげに会話している一人と『ナニカ』を邪魔するものは暫し現れなかったが、
「えっと、あの…」
「あぁ、キミが親友の言ってたマンハッタンカフェさんか」
「は、ハイ!貴女は、その、えっと…」
「うん、僕はシルバーバレット。…知ってるかな?」
「ゆ、有名ですよ先輩は…」
「あはは、そんなにかしこまらなくていいよ。
親友が大事にしてる子なんだ。なら僕にだって大事な子さ!」
「親友って…」
「僕らは親友だよなぁ、███?…うん、ハハっ!」
「…貴女はお友だちと話せるんですか?」
「話せるよ」
シルバーバレットはマンハッタンカフェとの会話を楽しむ。
そうして「また会おうね」と約束をして別れるのだった。
「あの人がシルバーバレットさん…。
タキオンさんがぜひ関わりたいと言っていましたが先を越してしまいましたね…。
でも、ふふ…、こういうのも悪くないかもです」
僕:なぜかファンクラブができてしまった系ウマ娘。
本人はなぜ自分がこんなに人気なんだろうと不思議がってる模様。
(ヒント:父、母父として産駒がたくさんいる)
マンハッタンカフェの"お友だち"と親友になっており、その親友に好かれているらしいメジロマックイーンに「キミは親友が見えないんだねぇ」と言って怖がらせた前科があるらしい。