さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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甘え上手の弟と甘やかし上手の兄。



なかよし兄弟

「やっほ〜、アクター」

「なんだ、デュークですか」

「てへへ〜」

 

後ろから抱き着いてきた弟-ミスタサーデュークにメジロアクターは頬をゆるめる。

明るく、人懐っこい年子の弟をメジロアクターは何よりも可愛がっていた。

 

「…で、どうしたんです?」

「あ、えっとさ!また一緒にスイーツバイキング行こうよ!!」

「…貴方、もうすぐ本番だったのでは?」

「大丈夫だって!それよりスイーツバイキングだよ!」

「はぁ……仕方ないですね……」

「やったー!約束だからね!!」

 

そう言って嬉しそうに走り去る弟の背中を見つめながらメジロアクターは微笑む。

 

(まったく……あの子は本当に甘えん坊さんですね。普段は女の子たちに黄色い声をかけられているのがウソに思えてしまうほど…)

 

自らの弟ながらどこか犬っぽい振る舞いに知らず知らずのうちに甘やかしてしまう。

それを悪いクセだとは自覚しているが、どうしても直す気になれなかった。

なぜなら、

 

(そんなところが可愛いんですよねぇ〜)

 

と心の中で呟くぐらいに…。

 

 

ミスタサーデュークは年子の兄であるメジロアクターを慕っている。

それは別にブラコンとかそういうことではない。

ただ純粋に兄として尊敬しているのだ。

何事にも真摯に取り組み、努力を怠らないその姿をいつも見ていた。

だからこそ思う。

ボクも兄ちゃんみたいになりたいな、と。

しかし、そう思う反面、無理だろうなと思ったりもする。

何故なら兄には才能があったからだ。

圧倒的なまでの身体能力。

その天賦の才能を誰よりも早く見抜いた、兄の父でありメジロ家の現当主はその才を伸ばそうと決めたようで。

そしてそれに応えるように兄もまた己の才能を伸ばしていった。

…というわけでミスタサーデュークは少しばかり兄に対しての感情を持て余しているのだ。

 

「はぁ〜……」

 

思わずため息が出てしまう。

すると前を歩いていたメジロアクターが不意に振り向いた。

 

「どうかしました?」

「エッ!?い、いや、なんでもないヨッ!?」

「…そうですか?」

 

危ない危ない…と思いながらも結局はせっかく訪れたスイーツバイキングの味もろくに分からなくて。

そんな自分を情けなく思いつつ帰り道。

二人並んで歩いているとふと隣からクスリと笑う気配を感じた。

不思議に思って顔を向けるとそこには優しげな笑みを浮かべる兄の姿があって。

 

「あ、アクター…?うわっ!?な、なに、なになになに!?髪の毛ぐちゃぐちゃにしないでよ〜っ!!」

「…ふ、はは、あはは、ごめんなさい」

「…も〜、いきなりなんなのさ〜」

 

撫で回されてせっかくのイケメンが台無しだよー!と言い募るミスタサーデューク(おとうと)メジロアクター(あに)は笑う。

そして、

 

「あなたは、あなたの好きなように」

「…なにか言った?」

「いえ、なにも?」





【名優ステイヤー】:
メジロアクター。
父メジロマックイーン母シルバフォーチュン。
1997年生まれの芦毛牡馬。逃げ寄りの先行。
適性は芝AダG。短GマE中B長A。逃B先A差C追E。
勝ち鞍は菊花賞(2000).天皇賞・春,ゴールドカップ,グッドウッドカップ,ドンカスターカップ(2001)

普段は貴公子然としているが年子の弟であるミスタサーデュークに話しかけられると表情がゆるむお兄ちゃん。
ミスタサーデュークに付き合っている風に見せて実はスイーツが好き。
また結構な健啖家だがよっぽどのことがない限り太り気味にならないらしい。

【Sir Duke】:
ミスタサーデューク。
父トウカイテイオー母シルバフォーチュン。
1998年生まれの鹿毛牡馬。
闘争心が物凄く薄いタイプだったので競走ではなく馬術競技の世界へと進み、『この血筋、馬術でもヤベェ…』とドン引かれるくらいの成績を残す。
たぶん五輪にもフツーに出ている。し、連覇とかもしてそう(鞍上白峰族で)。
なので『馬術の皇帝』と呼ばれることも?

非常に利口でウマ、人問わず懐っこい子。甘いものが好き。
ひとつ上の兄であるメジロアクターを慕っているため、よく話しかけに行く弟。
どこかに行く時は基本的にメジロアクターをまず誘う。
ちな本バは気づいていないがよく牝バたちから熱い視線をもらっている模様。
容姿はだいたい父似だが静かにしてるとルドルフみが増す感じ。
で、年齢を経るごとにテイオー似→ルドルフ似に変遷していく二度美味しいドドドドド美形だったり…?
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