さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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実馬時代の話。



誰だそのヒトミミィ!!

サンデースクラッパとグローリーゴアの二頭はだいたい同じ放牧地にいる。

いや元々は別…というか、柵で区切られた隣同士だったのだがどう足掻いたってグローリーゴアがサンデースクラッパのいる方に移動してしまうので、今では一緒の放牧地にいる。

 

『スーッ』

『…』

 

慣れたものではあるが。

どうにも彼は自分の匂いが好きらしいと、お尻やら首元付近を嗅がれながらサンデースクラッパは無の境地だ。

体格差によってグローリーゴアの隆々とした肉体に囚われているに近いこの状況は嫌がったが最後、物凄い勢いでグローリーゴアが駄々を捏ね始めるため、サンデースクラッパは早々に諦めていた。

だがしかし、今日は少し違うようだ。

 

『!』

 

不意に、サンデースクラッパがグローリーゴアを置いて駆けていく。

かくいうグローリーゴアは、いきなり今まで吸っていた相手が目の前から消え去りキョトンとするも、その相手が見たことのない人間に嬉しそうに擦り寄り、果てには体を撫でさせているのだから…たまらない。

いや、元よりサンデースクラッパという馬は人に対して愛想がいいが。

 

『……ッ!!』

 

グローリーゴアは、サンデースクラッパが見知らぬ人間に懐いていることに衝撃を受けた。

そして同時に敵愾心を抱く。

 

『────!!!!』

 

猛烈な勢いで駆けてきて噛み付く…ことはないが、その勢いで人が仰け反ったところでサンデースクラッパとの間に入る。

そこから見せつけるようにグルーミングをし始めるが…。

 

『!』

『!?』

 

いつもなら仕方ないと受け入れてくれるはずの彼がブンと頭を振って嫌がり。

それに飽き足らず、先程尻もちをついた人間の方に「大丈夫ですか?」とでもいうように。

 

『……』

 

…ショックを受けているグローリーゴアは知らぬことだが。

サンデースクラッパが駆け寄るのみならず、体を撫でることまで許していたのはその人間が───サンデースクラッパの馬主である白銀氏であったからであり。

その事実を知らないとはいえ、白銀氏を驚かせ、尻もちをつかせたグローリーゴアに、サンデースクラッパは。

 

『…(ツーン)』

『…(オロオロ)』

 

一週間ほど、無視したとか、どうとか…?

 

 

『…シロガネさんに、紹介するつもりだったのに』

『ご、ごめんよ…。知らなかったとは言え…』

『まぁ、噛みつかなかったことは誉めるけどさ』

『ス、スク…』

『…チッ』

『ご、ごめんなさい…!だから毛づくろいさせてよ!!』

『やだね。代わりに世話する人にしてもらうから』

『そんなぁ〜!』





【戦う者】:
サンデースクラッパ。
馬主である白銀さんに懐いている。
でも撫でるの下手だなとも。
大概ファンサ○だが、白銀氏や厩舎の人たち等自分によくしてくれた人々が相手となるとファンサが天元突破する。
それぐらいなので、その人々に何か危害を加えようとするヤツにはキレる。ので…?

【栄光を往く者】:
グローリーゴア。
執念で【戦う者】と一緒の放牧地を手に入れた。
ちな馬房もお隣。
はじめはちゃんと柵で区切られた隣同士の放牧地であったのだが、柵を飛び越えたり、柵の脆そうなところを狙って…して【戦う者】の放牧地に侵入したりなどしたので仕方なくな模様。
またこの場所で一緒の放牧地にいるのはこの二頭のみだったり。
趣味は【戦う者】を嗅いだり、【戦う者】のグルーミングをすること。
基本愛が重いのでファンサする【戦う者】の隣にピッタリと引っ付いてはファンサをもらっているヒトミミを威嚇しているらしい。
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