さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

74 / 1416
ウッマのしっぽに関して調べてみましたがよく分からんかったのだ…。



生存‪√‬:ふれあいイベント

競走馬から引退した僕はお仕事をしながらも悠々自適に███牧場で過ごしていた。

時おりやって来る人たちに頭を撫でさせたり、差し出されたニンジンを食べたりするファンサービスをしながら楽しく過ごしていた。

そんなある日のこと、

 

「キャーッ」

「おうまさんだー」

「でっかーい」

 

僕は子どもたちに撫で回されていた。

僕が今いる場所は███牧場の近くにある駅の広場。

そこで行われるイベントの一環として僕が引っ張り出されたのだ。

 

「わー」

「かわいいー!」

 

子どもからも大人からも撫でられる。

エサのニンジンも一回100円で売っているらしい。

子どもってやっぱり可愛いなとわしゃわしゃ撫でられながら思う。

…ッあ!?痛てて。しっぽの毛抜かれちゃった…。

 

「頑張ったなバレット」

 

イベントが終わったあと、世話してくれる人がリンゴをくれる。

うまうま…と味わいながら、またイベントに呼んでくれたらいいなぁと思う僕であった。

 

 

俺がその馬を知ったのはウマ娘プリティーダービーからだった。

ウマ娘をするまではまったく競馬に興味なんかなかったのに、ゲームを始めてからはいろいろな競走馬に興味を持つようになった。

そんなある日、

 

「うおおおお…!」

 

ウマ娘に新しい娘が追加された。

そのウマ娘の名はシルバーバレット。

この馬の名を知らないものはいないと言われるほどの有名馬で、今現在の競馬でも彼の血を持つ馬がたくさんいる。

俺はそんな馬の実装に喜ぶ人間のうちのひとりであった。はずなのだが、

 

「あら、バレットちゃんじゃない?」

「母ちゃん知ってんの?」

「バレットちゃんならよく駅のイベントに来てたじゃない。

ふれあい会だってアンタが小さい頃から」

「えっ!」

「あぁ、そういえばちっちゃい頃のアンタがバレットちゃんのしっぽの毛をむしってたわね」

「ハ!?」

「本当に大人しい子だったのよ、バレットちゃん。

普通の馬はこんなんじゃありません!って世話してる人がよく言ってたの覚えてるわ」

 

母ちゃんが「バレットちゃんのしっぽの毛、しまってたはずだから探してくる」と消えていくのと同時に「俺、凱旋門賞馬に触ってたのかよ…」とぼう然とする。絶対宇宙猫顔してるわ、俺。

 

「ほらコレよ」

「おぉ…」

「アンタがむしった次の年からずっとバレットちゃんのしっぽとたてがみ、編み込まれてたわねぇ」

「うっ」

「本当に可愛い子だったわ、バレットちゃん」

 

母ちゃん。母ちゃんは競馬に興味ないから知らないだろうけどシルバーバレットってすごい馬なんだぜ……。

 

「そういえば今度のイベントもおうまさんが来るらしいわよ」

 

そう見せられたチラシには予想通りシロガネの名を冠する馬の写真が載っていた。




僕:生存‪√‬のすがた。
おとなしい性格のため、ふれあいイベントに駆り出される系凱旋門賞馬。子どもが好き。人と触れ合うのも好き。
亡くなる一年前までふれあいイベントに駆り出されており、人と触れ合いまくってた。
競馬を知らない地元の人たちには人懐っこい小さなお馬さんと親しまれていたらしい。



  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。