ヤベェことになった!
「僕ってあんまり好かれてなくない?」
そう、深刻にもらすと「試してきたらどうだい?」と促された。
なんか仮定で終わらせないところがサイエンティストらしいなぁと思いつつ、クラスメイトのミスターシービーに「好きだよ」と言ってみた。
「そ? ありがと」
と、彼女は軽く言った。
特に反応なし。
まあ、こんなもんか。
僕はミスターシービーを放り出して、次のターゲットを探すことにした。
それからも、色々な子に「好き」と言ってみたが……結果は同じだった。
みんな一様に「ありがとう」と言うだけで、それ以上のリアクションがない。
うーん……。なんだろうこの違和感は。
まるで手応えがないというかなんというか……。
……あ! わかったぞ!
これ、僕の告白に心が籠もっていないからだ!
なるほど、だからみんなも反応が薄いのか。
僕は改めてミスターシービーの元に行く。
「本当に、好きだよ」
と言うと、彼女は驚いたようだった。
「そ? ありがと」と軽く言う彼女に対して、僕は続ける。
「冗談に、しようとしてる?」
すると、彼女の耳がぴくりと動いたような気がした。
よし! 手応えありだ! もうひと押しかな?
「…ま、キミは僕のことなんて好きじゃないんだろうね」と畳みかけると、彼女はひどく動揺した顔をしたが。
(よし次ィ!)
この言い方は効果アリらしいと理解した僕はまた次の相手へと突撃する。
(あれ?)
すると。
なんだかみんなの反応がおかしい。
なんでだろう?
なんでみんな顔を赤くしたりしているんだろう?
ただ「好き」って言っただけじゃないか。
学生間の戯れの一環であるのに。
(不思議だにゃあ)
ポテポテと助言をくれた友人の元へ帰り、あれこれと説明すると大爆笑された。
いや、キミがやれ言うたやんけと反論すると「いやいや、まさかここまでやるとは思ってなかったからねぇ」と返される。
「わぁん!タキオンくんが酷いよォ!!」
くつくつと心底愉快そうに笑うサイエンティスト系友人を見て、僕は自身の頭を撫でる"お友だち"に泣きつく。
やっぱり"お友だち"はやさしい…と僕は思った。
「…まぁ、なんだ。匿うのは匿ってあげるさ。焚き付けたのは私だからね」
「…?」
「キミの自己肯定感の低さは筋金入りだねぇ。いや、自己肯定感と言うよりは好かれやすさ、かな?」
「?」
「いや、いいさ。キミはキミらしくあればそれでいい」
「??」
「……キミを好きになる人間は苦労しそうだな。本当に」
友人がなにか言っているが、僕にはよくわからなかった。
僕:
シルバーバレット。
修羅場の爆心地。
自分の言葉がどんな影響力を持つのか、とんと理解していない。
ほえ?
多分生きている人間よりも"お友だち"と仲がいい。
またサイエンティスト系友人とも何かと縁を深めている模様。
サイエンティスト系友人:
アグネスなタキオン。
唆しちゃった☆
ヤベェことになってるだろうなぁ…と思ってる。
とはいえ匿ってあげるぐらいには友好度してる。
そしてマンハッタンなカフェに怒られるか、それとも"お友だち"に…?