さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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親友、なんだよね。



"お友だち"といっしょ

ある日を境に、シルバーバレットと会うことが難しくなった──。

いや、何もシルバーバレットが不登校とか、そういうわけではない。

ちゃんと学校に来ているし、授業もトレーニングもサボることなく一生懸命に日々を暮らしている。

がしかし。

 

(また、いない…)

 

それ以外の。

トレセン学園の生徒として必要なこと、以外の際に、とんとその行方が分からなくなる。

休み時間だとか、それこそ放課後のちょっとした時間だとか。

さっきまではあそこにいたのに、少し目を離した隙に何処かへと去ってしまっている。

何か、避けられているのだろうか?

そう思わずにはいられないほど、シルバーバレットは忽然と姿を消してしまう。

 

「……シルバー」

 

そんなある休日の昼下がり。

自分は意を決して、目の前の本人に尋ねることにした。

 

「え?いつもどこに行ってるかって?」

「ぅ、う〜ん。そ、それは…」

「っあ!よ、呼ばれてるから行くね!」

 

しどろもどろになって、そこからの逃亡。

「呼ばれているから」とは言っていたが、己の耳にはそんな声はひとつも入らず。

その背を慌てて追いかけても、角を曲がったところで忽然と姿を消し。

しかも、その通りは隠れる部屋や場所などひとつもない、ただの廊下だというのに。

 

「っはぁ……」

 

結局、自分はシルバーバレットを捕まえられずにこの日を終えた。

その翌日も、翌々日も。

同じ様にシルバーバレットは行方を眩ますと、そのまま何処かへと消えてしまうのであった。

そして……そんな日々が数日続いた頃のこと。

 

(あれ?)

 

もう何度目かわからない、自分の前からの逃亡を図ったシルバーバレットを追いかけて辿り着いた先で見た光景に首を傾げる。

 

(またいない……)

 

そんな疑問と共にヒュウと自分を撫でた、屋内ではありえないほどの冷たい風に身体をぶるりと震わせた。

 

 

『♪』

 

シルバーバレットには、"お友だち"がいる。

親友と言っても過言ではないほどの、"お友だち"がいる。

"お友だち"は、生者ではないけれど、生きている。

シルバーバレットが呼べば、どこにだって現れるし、どんな時でも寄り添ってくれる。

そんな"お友だち"は、シルバーバレットの大切な存在(ヒト)だ。

 

『♪』

 

その"お友だち"に手を引かれてやってきたのは、学園から離れた場所にある小さな丘だった。

 

「ここ?」

 

"お友だち"は頷くように上下に揺れた後、ぴょんぴょんと跳ねながら何処かへと消えていく。

 

(いつもここに連れてきてくれるけど……)

 

"お友だち"が連れてきてくれる場所は、自分ひとりで行こうとするとどうしてか分からぬ場所ばかりだけれど。

 

(でも、綺麗だなぁ…)





僕:
シルバーバレット。
"お友だち"とは親友。
"お友だち"に触れることができるせいか、よく"お友だち"に色々なところに連れていってもらうそうだ。
だが、その連れていってもらっている場所は…?
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