さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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だいたい好き勝手生きる奴らの集まり。



一族郎党、

ただ一瞬、キラキラと煌めくように。

誰も彼もの目を奪っていった"光"に、かつて()()よく似た"光"を思い出した。

 

ほんの少しばかりの出会い。

長い人生の中の一ミリを満たすか満たさないかぐらいの微か。

それでも、確かに覚えている。

この胸に焼き付いている。

 

「────」

 

それを、"光"を……自分は知っている。

……ああ、そうだ。そうだよ。

どうして忘れていたんだろう?

その出会いと別れは、もうずっと昔に経験していたはずじゃないか。

自分が"あの人"と出会ったのはたったの一度きりだ。

でも、それでも──"あの人"のことを。

 

「───███さん」

 

 

その【一族】が何処かの土地に定住する…ということはまぁ珍しいことだった。

いちおうは本家と、その本家が牛耳るちょっとした小さな地域があるにはあったが【一族】みな、そんな小さな世界に囚われて満足するタチではなかったので各々好き勝手に世界へ散っていった。

ただ、その中でも【一族】の頭領となった男は定住することを決めた。

理由は単純明快だ。

 

──忘れ形見(愛娘)がいるから。

 

たったひとり、愛した相手との娘を捨て置けるほど、頭領となった男は人間が終わってなく。

故に一人娘を育てるがてら、その土地に根を張ることにしたのだ。

一応、名目上は彼が頭領だが【一族】というくくりで見るならそれは些細な問題だった。

そもそも彼らの価値観は個人主義が過ぎるきらいがある。

表に立つ人間として"頭領"という地位を作っているだけであり、たとえ"頭領"が号令を出したとして、その号令を聞くかどうかは当人に委ねられる。

…とはいえ、号令をかける=【一族】の人間が攫われたとかそういう一大事であるので、身内大事!その他?知らね、な【一族】は大抵が頭領の指示に従うのだが。

 

閑話休題。

 

ともかく、男は定住を決めたのだ。

……とはいえ、【一族】の人間が好き勝手に生きるように、男もまた好き勝手に生きた。

別に他の【一族】のように世界一周を企んだり、人々を裏から操るフィクサーになろうぜ!とか、そういうわけではない。

ただ単に自分のしたいことをして生きていただけだ。

だから当然、娘の教育方針も男の自由気ままなものだ。

 

──とりあえずは好きに生きなさい。

──でも『好き』って言ってくる男が現れたらパパに紹介するんだヨ?ママの分もパパ、頑張るからネ!

 

……と、そんなノリで娘に教育を施した。

無論、その教育方針は娘が大人になったときのあれこれなど考えていないものだったし、そもそも娘には自由気ままでありながらスジを通す父親の血が濃く流れているためか、父親が思うお淑やか〜な方向とは真逆の方向へと成長していったのだが。

まぁそれでも──男は満足していた。し、

 

「おいで、チビちゃん」

「おじいちゃ!」

 





【一族】:
白の一族。
定住できる場所はあるにはあるが、基本散っている。
自由人であり、自身の影響力を分かっていない人々の集まり。
また身内大切その他知らねなので、身内認定以外の人間には塩。
でも子どもにはやさしいらしい。
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