さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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【銀色の王者】と【金色旅程】先輩の友人関係の一環。



ずっと

何となしに、いつもつるんでいる流れで互いにプレゼントでもしようぜとなった。

ふたり揃って誕生日でも、何か祝い事があるワケでもまったくないが、そういうのもたまにはいいだろう。

 

「う~ん、何がいいッスか?」

「別に何でもいい」

 

歩きながら、ぼそぼそと話し合う。

隣を歩く先輩は、いつもの調子で適当な返事だ。

せっかくだし、少しくらい考えてくれてもいい気がするが……。

 

「……あ」

「お? 何か思いついたか?」

「まぁ、はい」

「そ」

 

 

唐突に「プレゼントを贈りあおう」だなんてティーンも真っ青なことを言い出した後輩に付き合っているあたり、俺もまだティーンの頃の"ナニカ"が燻っているのだろうか。

 

「ンな大袈裟な包装じゃなくてよかったろ」

「でもプレゼントですよ?」

「へいへい」

 

話がまとまった日に店を巡ったがいいがふたり揃って何を贈るか決まらず、結局後日になって。

 

「じゃ、これ」

「うッス! ありがとうございます!」

 

渡したのは、小さな箱。

入れてる袋で察しはついているだろうが。

 

「おぉ…指輪」

「テメェそういうアクセサリー着けねぇからなァ。チェーンも一緒に買っといたからソレで色気づいとけ」

「色気づいとけって、アンタねぇ…」

「で?俺も開けていいのか?」

「はい、どうぞどうぞ」

 

御大層なラッピングをビリビリと向くと見るからによさそうな腕時計が現れた。

「普段でも正装の時でも使えるデザインにしときましたんで!」と笑顔でサムズアップする様に思わず頭を撫でれば「ふへへ」と喜ぶ。

 

───────

─────

───

 

…アイツのことだろうから自分の贈ったものの意味なんて知らないし、俺が贈ったものの意味も調べやしないのだろう。

 

「…」

 

じ、と見つめるのはアイツが贈ってきた腕時計。

身につけるヤツはずっと身につけるモノ。

それが転じて『ずっと一緒にいたい』だとかいう意味を持つ贈り物…。

 

「アイツ、ホントに…」

 

呆れの息をつきつつも、腕時計を撫でる指先はやさしい。

 

「……」

 

まぁ、いい。

アイツがその意味を知っていようがいまいが、俺が贈りたかったから贈っただけだ。

 

「……はは」

 

……でもまァ、意味を知れば少しは面白ぇ素っ頓狂な行動を仕出かすだろう。

そんな確信めいた予感につい口角が上がるのは仕方ないことだった。

 

 

「こりゃあ確かにチェーンで首にかけた方がいいなぁ」

 

洒落っ気がないから、と贈られた指輪は着けたら指の曲げ伸ばしのたびに刺さりそうなデザインで。

美しいシルバーリングではあるけれど。

 

「先輩、どうせならちゃんと着けられるヤツ贈ってきたらよかったのに」





互いにプレゼントしたもの

【銀色の王者】→腕時計
【金色旅程】→指輪(植物のアイビーモチーフ)

プレゼントとして贈る指輪の意味+アイビーの花言葉の意味を合わせると…?
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