さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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ある意味特権持ち?



この子なら大丈夫ですよ

「キミのやりたいようにしたらいいんじゃないかな?」

 

かつて。

旧理科準備室に居を構える前。

その頃より他称問題児であった自分に二つ返事で今はもう使われていない教室を開けてくれた先輩がそう言った。

正式な生徒会メンバーではないけれど、過去に臨時で生徒会のメンバーであったから多少の権利があると言って。

あの頃、誰からも承認をもらえなかった、私-アグネスタキオンのやりたい事を唯一認めてくれた先輩。

 

「キミがやりたい事は、きっと多くの人がはじめは『出来るわけない』って言うものなんだろうね。でもさ、それは自分のためにもなるけど誰かの為にもなることだろう?」

 

だから好きにすれば良いと、たとえ失敗しても失敗は成功の母だからと、言ってくれた。

その時から私は彼女の事を……いや、そんな大層なモノではないな。

ただ何となくこの人と一緒に居れば退屈しないだろうなと思っただけだ。

それが私の始まりだったと思う。

 

「…まあ、今更そんな事言っても困るだけだろうがねぇ」

 

あの人は、本当に甘い人だった。

いくら教室を爆発させようとも「キミに怪我がないようでよかった」と笑い。

いくら色がアレな試作品でも「作ったキミが飲んでぶっ倒れたら本末転倒じゃないか」と一気飲みし。

それで倒れてもまったく怒らず「すごーい!」とニコニコするばかり。

さすがの私も『この先輩は本能とやらが死んでいるのではないか』と呆れたものだ。

だから、私はあの人の望むようにした。

私の研究がいずれ多くの人に役に立つからと。

そして、それは間違ってはいなかったと思う。

 

「しかし、あの人は結局何がしたかったんだろうね」

 

あの人は最後まで教えてくれなかったけれど。

ただ、その答えを得る機会は永遠に失われてしまったけれど。

 

「まあ、いいか」

 

どうせもう過ぎた事だし、私には関係ないことだ。

もう終わった事だし、私がこれからする事も変わらないのだから。

 

 

ただ、もったいないなぁと思っただけだった。

有り余る才能の原石。

それを潰すなどもったいない、と。

確かに学生という歳若い身で、ひとりでやらせるのは危ない。

けれど、その心配は本当に彼女のためになるのだろうか?

もちろん、彼女の出した申請書類もちゃんと精査した。

その結果、負の可能性だけを見て潰してしまうのはもったいないと思っただけ。

 

「…まあ、いいか」

 

僕がやったことだと言えば、あの子も許してくれるだろうし。

だから僕は自分のやりたいようにすることにした。

 





僕:
シルバーバレット。
元臨時生徒会庶務権限でOKを出した。
コイツに『ちゃんとしてる』って思われてOKを出されたら並大抵では却下できないらしい。
たぶん似たようなことを結構してそう。
っぱ人たらしっすねぇ…。
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