さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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───『約束』、破らないよね?



幼き日の約束

実は、ウチの家系は『七歳までは神の内』という言葉に倣い、七歳になるまでの間は神の目を欺くかのように異性装をする一族だ。

髪だって長く伸ばすし、服装だってその性別が着るよなってタイプの服を着て。

話し方も仕草も徹底して、異性らしくする。

それゆえに、

 

『お、おっきくなったら、ぼくとけっこんしてください!』

 

そう…騙してしまうこともあるわけで。

かつての、他称プリチーだった俺(女装)に唯一そう言ってきたのは誰だったか。

外にはあまり出ず、箱入りで育てられていたことを考えると両親どっちかの知り合いのガキなのか。

遠に姿も覚えておらず、言われたことしか覚えていないが、今も昔もこの悪人面に変わりはなさそうなので随分な物好きが幼子ながらにいたんだなと感慨深くなる。

まあ、そんなことはどうでもいい。

 

「い、いや……その……」

 

問題は今だ。

目の前には顔を真っ赤にして俯く後輩─【飛行機雲】の姿。

明るくてどこか犬みたいなところが愛らしい後輩だ。

そして、

 

「……『約束』、守ってくれますよね?」

 

───ねぇ、レイちゃん。

 

 

あの日、恋をした。

相手は父の親友の子だという"レイちゃん"。

ふわふわのドレスを着て、今までに見たどんな女の子よりも可愛くて。

まるでお姫様みたいな、そんな女の子。

 

『はい!これあげる!』

『……きれい』

『でしょ?それね、ぼくのたからものなの!』

 

嬉しそうに微笑む姿に、僕は恋をした。

それからは会うたびに一緒に遊んだ。

ウチでご飯を食べていってもらったり、おままごとをしたりした。

けれど、ある日を境にぱったりと来なくなってしまった。

それからというもの、僕はあの子に会いたくて仕方がなかった。

でも会えない。

泣きじゃくって、駄々をこねてまであの子に会いたいと思った。

そして、父から告げられたのは衝撃的な一言だった。

 

『レイちゃんはね、遠くにいってしまったんだ』

 

僕は泣いた。

泣き喚いた。

でも、それでも諦めきれなくて……

そんな時に僕の前に現れたのが"レイちゃん"のお父さんであるプレアーさん。

"レイちゃん"によく似た優しい笑顔でこう言ったのだ。

『大丈夫さ!いつか必ず会えるよ!』と。

だから、僕は涙を堪えて、その『いつか』を待った。

そして、

 

「……先輩」

「ぁ、え…?」

 

ずっとずっとずぅ〜っと!

探し求めていたヒトに、再会できた。

短い髪もよく似合ってる。

可愛い。

 

「…『約束』、覚えてますか?覚えてますよね?」

 

見た目とかそういうのは、もう些事だ。

 

「────ねぇ、レイちゃん?」





【飛行機雲】:
後輩。
幼き日の【銀色の激情】に心を奪われている。
それが【銀色の激情】であるのなら性別とかそういうのどうでもいいやの勢いがある程度には心を奪われている。
可愛い顔してヤバめ。
…てへっ☆
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