【皇帝】√に入り、秘書みたくなっている銀弾の世界線。
「おはようルドルフ」
そう言って手を上げて挨拶すると、「あぁ、おはよう」と穏やかな笑みで返された。
服装も、髪型もキッチリとされているあたり、今日も随分前に起きたらしい。
「ごめん。すぐ朝食作るから」
「…たまには「作るから。待ってて」…嗚呼」
横目でチラリと見やると、ルドルフ──シンボリルドルフは昔ペアで買ったカップで温かいコーヒーを飲みながら愛用の眼鏡をかけて新聞を読んでいる。
日本のだけじゃなくて、他国の新聞も読んでるのは流石だ。
「はい、どうぞ」
「……ありがとう」
トーストと目玉焼きとベーコンを焼いて、サラダにスープの簡単な朝食を出すが、ルドルフは文句一つ言わずに食べてくれる。
「今日は随分と急いだね」
「そう?いつもと変わらないよ?」
「いや、いつもよりも少し…雑、だから……何かあったのかと心配になったんだ。杞憂だったなら良いのだが……」
そう言ってコーヒーを飲むルドルフに、僕は首を傾げる。
そんな心配するほど早かっただろうか……?
でも雑と言われてしまったからには、少し気を付けよう。
「ところで」
「ん?」
「今日は随分と機嫌が良さそうだが……何か良いことでもあったのかい?」
コーヒーをテーブルに置きながらそう聞いてくるルドルフに、僕は思わずドキリとした。
「え?僕ってそんなに分かりやすい?」
「いや、どうだろうね。私もキミの事を全て理解しているわけではないから」
そう言ってコーヒーを飲むルドルフはどこか楽しそうだ。
これは下手に誤魔化すと後で大変なこたになる気がする。
「……実はさ、今日久しぶりに休みだろう?ルドルフ自体が」
「…ああ、そうだね?」
「それで、その……久しぶりに…うん、どこかに行こうって…誘おうと、思って」
「……」
ルドルフはコーヒーをテーブルに置くと、新聞を畳んで眼鏡も外した。
それから僕に向き直ると、少し身を乗り出してくる。
「それは本当かい?」
「え?う、うん……」
「……そうか」
するとルドルフは嬉しそうに笑った。
そんなルドルフの笑みに僕は思わず見惚れるが、すぐにハッとする。
いや待て僕!
なんかイイ雰囲気になってるけど、どう足掻いたって僕らは雇い主と雇われてる人間の関係性でしかないんだから!
「あ、いや、でもルドルフが嫌なら別に」
「嫌なわけが無いだろう?キミから誘ってくれたのは初めてだ。とても嬉しいよ」
「……そ、そう?」
「ああ。それでどこに行くんだい?」
そう言って聞いてくるルドルフに僕は少し考える。
……正直言って何も考えていないのだ。
いやだって仕方ないだろ!?
だってルドルフと出かけるなんて初めてなんだから!!
そんな僕の内心の動揺を他所に、ルドルフはニコニコとして僕を見ている。
あああああああもう!!!!
「ルドルフは、荷物持ちなんだからねッ!」
「それでも嬉しいよ」
「……ぐぬぬ」
僕:
シルバーバレット。
なんやかんやあって【皇帝】と共にあることとなったウッマ。
【皇帝】の身の回りの世話から職務のサポートまで一貫してやっている。
【皇帝】から贈られためちゃくちゃいいスーツ着てそう。
それはそれとして差し色とかでクッソ主張されそう(こなみかん)。