さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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なんか揃いも揃ってそれなりに面食いそうな家族だね。



世界一の美人?

その家の子どもたちは『世界で一番美人な人は?』と聞かれたら、みんながみんなこう答える。

 

───ウチのお母さん(リリィ)、と。

 

まぁ13人もきょうだいがいれば、好みは人それぞれだろうが、その一点においてのみは何の逡巡もなく、一致していた。

美しいヒト。

白百合という名に相応し…相応しい、かなぁ?

花というよりはめちゃくちゃに燃え盛っている炎に近いような気もするけれど。

でも、とにかく美しいヒト。

それは間違いない。

そんなリリィは、もちろん子どもたちにも大人気で、「黙ってれば美人なんだけどなあ、この人」と子どもながらに思うこともしばしばだが、この炎のような人がただ黙りこくって(美しいは美しいだろうが)人形のようになっているのは解釈違いなので、やっぱりこれでいい。

素直か、反抗期なのかはそれぞれだが、みんなリリィのことが好きなのだ。

それはそれとして、

 

「……」

 

子どもたちは、目を細める。

元より光り輝いているようなホワイトリリィがいま現在もっと輝いているので。

勝気で、皮肉屋な表向きの面が取れて…愛しい人、最愛の伴侶に文句を言う。

それは日常のありふれた不満であったり、ちょっとした嫉妬だったりも。

 

「チッ、またこんなに汚して……。片付けるのは私なんだからな?」

「……」

 

子どもたちは知っている。

リリィがこうやって文句を言いながらも、嬉々としてそうしていることを。

そして、文句のついでにキスしたりハグしたりしていることも知っているのだ。

 

((((((あれでバレてないつもりなんだからなぁ))))))

 

ラブラブな二人の様子をチラチラと盗み見ながら、子どもたちは思う。

───愛ってすごいな、と。

 

 

ヒカルイマイから見て、最愛の妻であるホワイトリリィは素直でないところがいっとう可愛い。

 

「おい」

「なんだ?」

「……なんでもない」

「へぇ?」

 

そして素直でないところもいっとう可愛いが……あまり素直になられるとそれはそれで愛くるしくて困るな、などとヒカルイマイは考える。

この愛しい人の魅力は自分だけが知っていればいいのだと思うのに、この愛しい人は勝手に惹きつけてくるから。

「私を愛する物好きなんて」と、いつも呆れたようにこちらを見るが気づいていないからそう言えるのだ。

 

「……」

「?」

 

俺を迎えに来るちょっとの距離で懸想されよってからに…。

だがまぁ、俺の妻だ。

他人のモンに手を出そうとしたんだ。

あの程度の虫は追い払っても問題なかろう。

 

「……」

「な、なァ、どうしたんだよ」

 

ヒカルイマイは思う。

ホワイトリリィと出会ってから、自分の世界は変わったと。

いや、もともとの自分がどんなだったかなど覚えていないのだが、とにかくそう思うのだ。

 





【白百合】:
ホワイトリリィ。
美人。
でも年齢不詳。
逆に年々美しさに磨きがかかってない?
そのため秋波をよく送られるが、彼女が見ているのは伴侶である【電撃の差し脚】だけなので…。

【電撃の差し脚】:
ヒカルイマイ。
伴侶である【白百合】にベタ惚れ。
年相応にイケオジ。
年々美しくなっていく【白百合】にぶーたれたり見惚れたり。
でも秋波送られてるのは許せない。
俺が手折った白百合なのに…。
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