さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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無口なところは父にだけど、黙った時は母親似そう。



知らないあなた

「【飛行機雲】…さん?」

「は、はひっ!」

 

同室である先輩が小さくなった!と聞いたのが昼休み前。

そして、トレーニングが急遽休みとなり、寮部屋で待っているようにと伝えられたら…現状(コレ)だ。

 

「はじめまして。シルバアウトレイジと申します」

 

ぺこりと下げられたところから見える髪はスっと流れて。

それに着ている制服もピシッとしたもので、その着こなしは完璧。

見目は子どもながら先程の話しぶりと合わせて、まるで厳格な大人と話しているかのように思える。

しかもこの制服って中々に有名な幼稚舎から大学まで一貫の学校のものじゃなかったか?

 

「はじめまして。シルバアウトレイジ…さん」

「はい、よろしくお願いします」

 

そう言ってもう一度下げられた頭にはピョコンと跳ねた毛が……跳ねてる?

 

「あの、失礼ですがその髪は……」

「あ、これは癖っ毛でして……」

 

恥ずかしそうに頭を手で押さえる姿は年相応に見えて微笑ましい。

そんな姿を微笑ましく思っていると、先輩(小)は姿勢を正しこちらに向き直り口を開いた。

 

「改めまして自己紹介させていただきます。この度こちらの学園でお世話になりますシルバアウトレイジと申します。ご迷惑をお掛けすると思いますが、どうぞよろしくお願いします」

「あ、はい。こちらこそよろしくお願いします」

 

そう言って深々と頭を下げる先輩(小)につられてこちらも頭を下げる。

するとそのタイミングでノックの音が響き、次いで扉が開かれるとそこには見知った顔があった。

 

「失礼します。【飛行機雲】くん……は?」

 

部屋に入ってきたのは我が学園の生徒会長である【瞳に夢を】さんだ。

そして彼女の視線は僕の横に立つ小さな先輩に釘付けになる。

 

「え?誰ですかこの子は?」

 

そう呟く彼女の顔には困惑の色が浮かんでいるが無理もない。

今の先輩とは似ても似つかないお上品なお子様なのだ。

しかもそんじょそこらの同年代より大人っぽいし、どう見たってその年頃の子どもらしくない。

 

「あ、【瞳に夢を】さん」

「はい?」

「こちらがシルバアウトレイジさんです」

「……え?いやでも……え?」

 

困惑を隠せず狼狽える彼女だがそれも仕方ないだろう。

僕だって同じ気持ちだ。

そしてそれは先輩(小)も同じようで……。

 

「あの、会長さんでよろしいでしょうか?」

「は、はい!そうですが……」

 

声が裏返った彼女の返答に先輩は姿勢を正して口を開く。

 

「はじめまして、シルバアウトレイジと申します」

 

そう言ってぺこりと下げられた頭に【瞳に夢を】さんは一瞬呆けるがすぐに立ち直り言葉を返す。

 

「あ、はい!はじめまして!」

 

と、挨拶を交わした僕たちだが……さてこれからどうしたものか?

こうして先輩(小)との生活が1週間ほど続くことになるとは…まだ誰も知るよしがないのであった。





【銀色の激情】:
シルバアウトレイジ。
子どもに記憶諸共退行してしまった姿。
本人としては素の所作口調なのだが、周りからはめちゃくちゃ驚いた顔で見られるので「?」とよくなっている。
冬の早朝みたいな美人さんらしい。
鋭利な美貌なんだね!
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