思わせぶりなのはどっち?
「好きだ」
「そう?でも、僕はキミのことが嫌いだよ」
ずっとずっと言いたかった言葉を、再会したその瞬間に告げると間髪入れずに返ってきたのは無慈悲で冷たい拒絶だった。
「どうして、」
「どうしても何も、僕はキミのことが嫌いだからだよ。……ああでも、そうだね。強いて言うなら」
そう言ってキミは少し考えるような仕草を見せると、ゆっくりとした口調で言葉を紡いだ。
「僕と居たら破滅するぜ?何もかも、ことごとく」
…そうは言ったキミだったが、あまりにも無自覚すぎないだろうか。
ただそこにあるだけで振り撒かれる、あの毒のような魅力を。
「それでもいい」
「キミは強情だな……ま、いいけどね」
呆れたように肩を竦めると、にぃこりと笑ったキミはゆっくりとこちらに歩み寄ってきた。
そしてそのまま自分の頰に手を添えると、そっと唇が触れるか触れないか。
一瞬のような永遠のような時間の後、名残惜しそうに離れていくその体温がひどく恋しかった。
「……これで満足かい?」
悪戯っぽく笑う姿を見て、胸が締め付けられるような痛みを覚える。
ああそうか、自分は本当にこの人のことが好きなんだと。
また、こうして思わせぶりなことをしてくるから…
「ああ、満足だ」
「そっか。それはよかった」
そう言って笑うキミはひどく綺麗で、とても儚く見えた。
……だからだろうか?
思わずその腕を掴んでしまったのは。
「……なに?」
怪訝そうな顔でこちらを見るキミに、自分はただ一言だけ告げた。
「好きだ」と。
すると今度はすぐに嫌悪感を露わにした顔でこちらを睨みつけてくるものだから、つい苦笑してしまった。
やはりキミは自分を嫌っているし、拒絶したいのだろう。
それでも構わない。
「好きだよ」
ただ、そうなのだと、知っておいてさえすればいい。
*
一目見て、分かった。
あの頃とは、姿かたちが違うけれど同じだって。
「そう?でも、僕はキミのことが嫌いだよ」
あの日、僕はキミを傷つけてしまった。
よかれと思って、善意で。
だから、
……そうでもしなくちゃ、きっとまた
「それでもいい」
「キミは強情だな……ま、いいけどね」
だけど本当は分かっていたんだ。
キミが僕を嫌うなんてあり得ないってことも、僕も同じようにキミが好きなことも。
だって僕らは唯一無二の……。
「さっさと、諦めてくれればいいのになあ…はぁ」
かつては一緒にいたけど最後の最後に善意したら傷つけてしまったので離れようとする方とそのことは覚えてないけど好きだったことは記憶にあるので今回も!と頑張ってる方。
まあ、惚れたが負けなんでね。