さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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生産牧場でのあれそれでどこぞのヘイローさんみたくなっちゃった銀弾世界線のウマ軸での話。



ひとりぼっちでいい、のに

そのウマは…誰も彼もが嫌いだった。

自分の世話をしてくれるチームの面々と実の家族を除いた、みんなを、世界中を…嫌っていた。

 

「……」

 

深く被ったフードの下には、それはそれは見るだけで痛ましく、またおぞましい傷跡があると言い。

口を開けば唸り声をあげ、ひとたび触れようとすれば相手を噛みちぎらんばかりに噛み付いてくるその様相に。

誰もがそのウマを避け、疎み、嫌った。

……だが。

 

「おはようシルバー!」

「……」

 

そのウマの、クラスメイトたちだけは…違った。

どれほど荒々しくそのウマが振舞おうとも、どれだけそのウマが周りから疎まれようとも。

クラスメイトたちはそのウマ──シルバーバレットのことを、避けたり、しなかった。

 

「……」

 

だから、シルバーバレットはフードの下でいつも『訳が分からない』という顔をする。

『ただいるだけで不快だ』とか、『その目がムカつく』から殴るだとか。

そういうことに慣れ親しんでしまったが故の、『何故こいつらは自分に構うのか』という疑問。

……シルバーバレットには、分からなかったのだ。

 

「おはようシルバー!」

「……」

 

クラスメイトたちはいつも笑顔で挨拶してくる。

だが、シルバーバレットは知っている。

その笑顔の裏に隠された、自分への恐怖を。嫌悪を。憤怒を。殺意を。疎みを。

そんな感情に隠した顔を、今まで何度も見てきたから分かるのだ。

 

(……何でだ)

 

だから、理解できなかった。

だってどれほど見ても相手の奥底には…シルバーバレットが予想したようなものはなくて。

よくある『恐怖』の感情すらもない有り様には流石のシルバーバレットも自身の不調を疑い、病院に行ったほどだ。

……結論から言えば、シルバーバレットの体に異常はなかった。

ただ単に、クラスメイトたちが『恐怖』も『嫌悪』も『憤怒』も『殺意』もなく。

ただただ純粋に、シルバーバレットを好いているだけという事実がそこにあっただけだった。

 

(何でだ)

 

…本気で理解できない。

そんなことがある筈がない。

だって今まで見てきた奴らはいつだってそうだった。

自分のことを恐れるか、疎むか、嫌うか……そんな感情しか向けてこなかったのだから。

おかしい。

自分が、他人に好かれるはずがない。

なのでシルバーバレットは、今日もクラスメイトたちを『訳が分からない』とフードの下から見る。

 

「おはようシルバー!」

「……」

(……何でだ)

「シルバー!今日はいい天気だな!」

「……」

(何でこいつらは僕を怖がらないんだ?)

「シルバー、次は移動教室だよ」

「…」

(……なんでお前らは僕に構うんだ?)

 

何度考えても分からない疑問を頭に浮かべながら、シルバーバレットはいつもと変わらない学校生活を過ごすのだった…。





僕:
シルバーバレット。
誰も彼も嫌い(身内枠除く)。
たぶん史実でも身内以外は近寄り禁止枠。
雑誌記者とかそういう第三者に会おうものならブチ○しにかかりそう。
なのでこの世界線で生存√入った際は母ホワイトリリィがいて、顔を知ってる人たちばかりな牧場から離れない感じになる。
決して他の、俗にいう一流のとこには行けない。
主に人見知り()のために。
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