ちゃんと圧…?みたいなのがある銀弾。
「やあ、ジーザスちゃん」
ぺこ、と頭を下げたジーザス-オゥジーザスにシルバーバレットはニコリと笑う。
チーム:アルデバランの若手トレーナーである白峰
「あの……その……」
「ん?」
「……あ、ありがとう、ございます」
ぺこり、と頭を下げるジーザス-オゥジーザスにシルバーバレットは目をぱちくりさせた。
「え? いや、なにが?」
「その……お忙しいのにわざわざ時間を作っていただいて……」
ああ、なるほど。
確かにチームリーダーである自分がこうやってデビュー前の相手に構うとは思わなかったのだろう。
…とはいえ書類仕事等何もやることがない故の行動であるのでシルバーバレットからすればお礼を言われるようなことではない。
「ああ、別に気にしなくていいよ」
ひらひらと手を振りながら答える。
「僕も暇だったし、ジーザスちゃんの実力も見ておきたかったからね」
「あ、ありがとうございます……」
またぺこり、と頭を下げるオゥジーザスにシルバーバレットは苦笑する。
(……真面目な子だなぁ)
小耳に挟む話から、その実力の高さは伺い知れた。
スタートから爆発するような加速と、その反射速度と共に繰り出される大きなストライド。
その一瞬が他出走者との明暗を分けるのは想像に難くない。
(いい子が入ってきたよね!)
にっこり。
*
オゥジーザスがそのウマについて知っていたのは、その戦績と名前ぐらいのものだった。
『キミがオゥジーザスさん?』
『…はい。よろしく、お願いします』
『うん、よろしくね』
その短い会話だけで、オゥジーザスはこのウマに逆らってはいけないと理解した。
ゾロリと脊髄が指先で撫であげられるような、蛇に睨まれた蛙のような。
逆らえば、そのまま食い殺されるような。
そんな恐怖をオゥジーザスは感じたのだ。
『ああ、そんなに緊張しなくていいよ』
しかし、その恐怖とは裏腹に目の前のウマはにこやかに笑い、
『ここは人数が多いからね。それに久しぶりに入ってきた新人だからみんな世話焼きに来るだろうけど…言えばちゃんと聞いてくれるから』
『は、はぁ…』
拍子抜けなことを言ったあと、
『早く、強くなってね?』
『楽しみにしてるから』
満面の笑みで────嗤った。
僕:
シルバーバレット。
会ってみた。
強そうな子だな〜と思っている。
にっこり。
【おぉ、神よ!】:
オゥジーザス。
逆らってはいけない相手に出会ってしまった。
僕の前では常に借りてきた猫のようになり、普段の荒々しさが嘘のようになる。
後に僕のことを尊敬するようにもなるが怖いものは怖いとか。