さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

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『お友だち』っぽい感じ。



いっしょにいてね

幼い頃から、僕のそばには『キミ』がいた。

『キミ』は、多くの他人には視えない存在で、『キミ』のことを周りに話せば大概が気味悪がり、極小数が興味本位でちょっかいを出してきた。

だけど、そんな人たちよりも『キミ』の方がよっぽど大切だった。

だって『キミ』は、周りの人たちと違って僕の話を、真剣にいつも楽しそうに聞いてくれるから。

だから僕は、いつしか『キミ』のことを誰かに話すことはなくなったし、これからも話すつもりはない。

 

「…ねぇ、」

 

そばにいる『キミ』に声をかける。

すると『キミ』はスッと寄ってきて、いつものように僕に撫でられる体勢になった。

幼い頃から変わらない行為。

僕にこうやってスキンシップをされるのが好きな『キミ』は、いつもこうして撫でさせてくれる。

 

「キミは、ずっと僕のそばにいてくれるよね?」

 

『キミ』に問いかけると、もちろんだよとでも言うように、すり寄ってくる。

それがなんだかくすぐったくて、自然と笑みがこぼれた。

 

「……ふふ、ありがと」

 

お礼を言うと『キミ』はまた僕に擦り寄って甘えてくる。

そんな『キミ』を優しく抱きしめて、僕は目を閉じた。

……ねぇ、『キミ』。

これからもずっと一緒にいようね?

僕のそばにはずっと、ずっと、ずっと…。

 

 

共に歩いている中、いきなり足をガクンと取られた『運命』に、共にいた存在はその手を掴んだ。

真っ暗闇を落ちていく中で、次に光を感じた頃には何か守護霊の如きモノになっていた。

ちなみに件の『運命』は赤子となっており、そばにいる存在にキャッキャと手を伸ばしていた訳なのだが。

 

「…ずっとそばにいてね」

 

はじめは、大変だった。

自分のことが視えている『運命』の家族に消されそうになって、『運命』がそんな自分を見てギャン泣きしてくれなければ、本当に危なかった。

『運命』は守護霊と化した存在に懐いてくれて、『運命』の家族もそれを受け入れてくれるようになったけれど……。

 

「キミが僕から離れるなんて、絶対に許さないから」

 

日々、『運命』の執着心は凄まじいものになっていく。

僕だけしかいらないと言って、他人を遠ざける。

 

「キミのことを怖がったり、バカにしたりするような人はいらない」

 

そう、冷たい瞳で言い切ったのはいつのことだったか。

『運命』が、己を拒絶するような人間に対して、容赦なくなったのはいつからか。

 

「キミのことを一番に理解してるのは僕だよ?だから……キミも僕のことを一番に理解してくれるよね?」

 

そう言って笑う『運命』を見て、自分は思ったのだ。

ああ、この子はきっと一生独りぼっちなんだろうなと。

それが、とても───。

 

「…どうしたの?そんなに嬉しそうな顔して」





【戦う者】:
サンデースクラッパ。
幼い頃から自分のそばにいる『キミ』に依存している。
『キミ』のことが視えない人が大半で、その事実を面白がられたり気味悪がられたりを繰り返した結果、家族と『キミ』さえいればいいと思うようになったらしい。

『キミ』:
ただの友だち。
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