さよならはまだ言えない   作:芦毛スキー

816 / 1416

よろしい、ならば戦争だ。



なんでぇ?どうしてぇ?

「……はぇ、」

 

いや、こうも言うだろう?

言うしかないだろう!?

 

「……えぇ?」

 

自分の目の前にいるのは大層な美丈夫。

その誰も彼もが僕の姿を見て、一瞬目を見開いたあと、悪い顔をする。

…そりゃあさぁ、分かるけどさぁ!

 

「そりゃ昔の知り合いが女の子になってたらその顔するよねぇ!?」

 

なんでさ!!

いやね?きょうだいみんな女の子になってるから「あ、今生はそういう世界なんだ」って納得してたところにコレだよ!!!!

誰得だよ!!!!

きょうだいに関しては僕得だけどね!?

 

「いや、すまない。……うん。なんだ。その」

「言いたい事は分かるけどさぁ!僕だって好きでこの姿になったわけじゃないんだよー!」

「あー、まぁ、そうだよな」

「だいたいなんなのさ!?なんで僕が女になってるのさ!?」

「……さぁ?」

「あ、それもそっかぁ……」

 

そりゃそうだよね。ごめんよ。

でも仕方ないじゃないか!

こんな事になるなんて予想もしてなかったんだもん!

だって結構な田舎出身なんだぜ?僕。

都会の情報とか入ってくるかっての!

そもそもあの田舎、僕ら家族以外にウマいなかったしな!!!!

…いや、思い返せば父さんはちゃんと父さんだったし、おじいちゃんもおじいちゃんだったわ。

……見て見ぬふり、してたのかな?

それはそれとして、

 

「なんか怖いんだけど。迫ってこないでくれる?」

「いや、その。……色々とな?」

「はぁー……」

「……すまない」

「別にいいよ、別に」

 

にしても面倒なことになったなぁ。

美男美女揃いって(こう)なったら、トレセン学園って出会いの場にもなってそうだ。

うんうん、長くて中高6年寮生活…何も起こらないわけがなく。

 

「ん?どうかしたか?」

「……なんでもない」

「そうか。……では、改めて。ようこそ、中央トレセン学園へ」

「うん、これからよろしくねー」

 

まぁ、なるようになるでしょ。

 

 

その姿を見た時、周囲には一種の衝撃が走った。

ずっとずっと待ちわびた相手がようやっとこの世界に来ると聞いて、今か今かと餌を目の前に吊り上げられた飢えた犬のように待っていたところでの、

 

「やっほ〜久しぶり〜!!」

 

肩甲骨辺りまでの長い髪に、昔よりも華奢な体。

そして極めつけは───。

 

「…そんな変な顔しないでよ、自分でも分かってるって」

 

()()()()()()()()()()()

ツ、と裾を持って苦笑する様にゴクリと無自覚に喉が鳴る。

それが同じようにいくつか聞こえてきたとなれば、

 

「そんな変な顔するなよ〜。苦いもん食べた時みたいな顔になってるけど?だいじょぶ?」





僕:
シルバーバレット。
なんで僕だけ女の子なの!?!?!?
田舎で過保護に育てられてた系ウマ娘。
周りからどんな目で見られてるか気づいてないけど、これから乙女ゲーみたいなことになるのは必須。
しかしこのヒロイン、攻略対象みんな己の走りでぶちのめすから…。
お前のようなヒロインがいるか!!!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。